平成29年第2回小金井市議会定例会

1 成年後継制度の利用促進について

成年後見制度は、認知症や知的・精神の障がいなどで判断能力に不安がある場合に、本人や家庭裁判所が選んだ親族や第三者が「後見人」となり権利を保護するもので、後見人は財産管理のほか、介護保険の利用や入退院の手続きなどを担っていきます。

⑴ 現状の利用状況と課題について確認

小金井市においては、小金井権利擁護センターを社会福祉協議会に委託し成年後見制度地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)を実施されています。小金井市権利擁護センターの問い合わせ状況について伺います。

答弁者  (福祉保健部長) 相談件数は1,328件(権利擁護関連が702件、成年後見関連が626件)。そのうち認知症関連の相談が多い(権利擁護関連が293件、成年後見関連が439件)。法人後見の受任件数は0件です。

⑵ 利用者件数が少ない課題は

小金井市の保健福祉総合管理計画には「団塊の世代」が全員75歳以上となる平成37年には、高齢者人口は30,394人と推計されると記載されています。その数から考えると利用者件数が少ないと思いますが、課題はどこにあるでしょうか。

答弁者  (福祉保健部長) 保健福祉総合計画策定時のアンケートの結果で、「権利擁護という言葉を知っている」と答えた人が66.6%に対して、「小金井市権利擁護センターを知らない」と答えた人は、67.1%にのぼった。サービスの周知が必要であると考える

⑶積極的に補助金などを活用するべき

更に周知を行う事で、相談件数が増えれば予算措置が必須となる。担当部長会などで国や都に補助金などを求めていくべきではないでしょうか。

答弁者  (福祉保健部長) 全国レベルの課題でもあり、法律に基づいた取り組みになるので、纏まって国へ求めて参りたい

⑷国の取り組みについて認識を確認する

同制度をより身近なものにしようと、2016年4月に議員立法(公明党大口善徳衆院議員が提案)で「成年後見制度利用促進法」が成立。同法に基づいて今年(2017)3月には「基本計画」が策定されました
計画では、利用者の生活を細かく支えられるよう相談体制の強化のほか、後見人をはじめ医療、福祉関係者などが関わる地域連携ネットワークを各地に整備することが柱となっています。さらに、中核機関の設置や不正防止の徹底、財産管理などで利用者の意思を尊重する体制の強化、後見人活動のサポートなども実施。制度利用を促進し、各自治体にも計画策定が促されています。今回の計画策定について市の認識を確認する。

答弁者  (福祉保険部長) 5月23日に内閣府による区市町村向けの説明会が開催され、担当者が参加した。今後、認知症高齢者のみならず、独居また高齢者のみ世帯が増える見込みの中、成年後見制度の利用の必要性が高まっていると認識している

⑸ 市として計画策定を進めないか

計画では、今後5年間での市町村での計画策定を促しているが、小金井市はどのように取り組んでい行く予定でしょうか。

答弁者  (福祉保険部長) 国の工程表に即して立てていくことになるが、始まったばかりなので、
国や先進市の動向に注視・把握しながら進めていく。

⑹ 地域連携ネットワークの構築をしないか

権利擁護の取り組みは、その地域に即した検討が必要です。

弁護士会や司法書士会や行政書士会など全国組織で成年後見制度の支援を掲げて頂いており、市内にもそういった専門家の方々がいらっしゃいます。お話を伺うと、連携、情報の共有が十分にされないとのことが課題でもあります。中核機関や専門家を集めた地域連携ネットワークを早急に構築する必要がありますが、如何でしょうか。

答弁者  (福祉保険部長) 現在「小金井市地域包括ケアシステム」を推進している医師会と連携し、医科、歯科、薬価の三師会、地域包括支援センター等々が集まり、各現場における課題を共有し、対応策を協議する「他職種連携研修会」が定期的に開催されている。また「認知症施策推進委員会」もあります。このような関係機関の協力を得ながら、現状把握に努め、早期発見し適切な機関へつなげられる環境づくりを検討していきたい。

2 「部活動指導員」の活用について

⑴ 部活動の実態と、外部指導者の活用状況について

本年4月末、文部科学省が小中学校教員の勤務実態調査を公表しました。その中では、一カ月の時間外勤務時間が80時間を超える教諭が小学校で34%、中学校で58%ということで、過酷な勤務実態が明らかとなりました。その様な中で、教員の健康維持はもちろんの事、授業の質の向上や、いじめの発見など厳しい要求であるともいえます。特に、中学校では部活指導に関わる時間が長時間勤務の一因と指摘されています。

文科省が学校教育法の施行規則を改め、4月から「部活動指導員」が制度化しました。
これにより本年(平成29年)4月から、中学校の部活動に地域の文化・スポーツ指導者らが「学校職員」として積極的に関われるようになりました。経験者の指導による生徒の競技力向上や、教員の「働き方改革」の観点からも、負担を減らし、子どもに向き合う時間の確保などの効果が見込めると考えます。小金井市内の部活動の実態と、外部指導者の活用状況について伺います。

現在、外部指導員は五割ほど導入されている。今後、「部活動指導員」を積極的に活用していかないか

答弁者 (指導室長) 部活動指導員制度は有効だと考える。勤務形態や報酬の規則の整備、教育的観点の研修、積極的に実施したい。登録料、交通費も含めバランスのとれた予算配置を検討していく。

答弁者 (教育長) 教育的にも意義があり、教員の負担軽減にもつながると考える。今、国がガイドラインを作成している段階で、東京都が教員の勤務実態について実態調査を開始した、市も実態調査や課題整理に着手した。本制度を積極的に活かしていきたい。
自分の試算(中学校に6人を週三回、時給千円でお願いした場合)によると、1年間で1千万円必要になる(因みに、杉並区は二千万円支出している)。現時点で、財源の見通しはないが、学習指導などに先生が時間を注げるなら、惜しくはない金額だと思う。

⑵ 体育協会との連携について

本制度を推進するためには、小金井市体育協会と協定などを結び、積極的に講師派遣をしていただくなど工夫が必要ではないでしょうか

答弁者 (指導室長) 体育協会との連携は効果的だと考える。今後、研究していきたい。

3 小中学校の給食の時間について

⑴ 給食の実態と、「食育」の観点からの見直しの検討について。

学校教育で「知育、体育、徳育」が重要とされていますが、それに加え、むしろその土台として「食育」がとても重要視されている事はご存知の事と思います。
そもそも学校での食育の目的とは何でしょうか。平成17年に食育基本法が、平成18年に食育推進基本計画が制定されました。その前文では、

「子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要である。今、改めて、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進することが求められている。」

とあります。「小金井市食育推進基本条例」の第六条にも

「教育関係者は、国及び東京都で定める指導の方針を踏まえ、子どもが食に関する理解を深められるよう努めるものとする。」

と記されています。以上のことからも言うまでもなく学校においても積極的に食育に取り組んでいくことが重要です。食育は授業や栄養士さんのお話はもちろんの事、毎日の給食の時間が非常に重要な役割を果たすものと考えます。
そのような状況において、給食の時間が若干短いのではないかと、お声を伺う事があります。給食の時間の重要性をどのようにとらえられているのでしょうか。実態について合わせて伺います。

答弁者 (指導室長) 給食が重要な時間であると認識している。小学校で45分、中学校で30分(この中で、準備と片付けを含む)体育の着替えや離れた場所で授業が終わった場合など更に短くなる事もある。教育課程の限られた時間の中であるが、給食の役割も考え時間設定を各学校へ指導していきたい。


(0h03m31s から再生