令和三年第3回小金井市議会定例会 一般質問

市のデジタル・トランスフォーメーション(DX)戦略について

自治体DXについては、一応に国の方針に沿って進めていくことは答弁されているが本市としての目的が明確に共有されていないように伺える。

9月1日(昨日)は「豊かな国民生活と誰一人取り残さない社会の実現のために」との理念を掲げデジタル庁が創設さた。

DXに取り組む姿勢を鮮明にしている他自治体においては、大義・ビジョンを明確にしている。大義を全うするために克服しなくてはならない課題は何か。いつまでに克服することを目指すのか。そのために組織、体制を見直す必要はないのか。小金井市の考えを問う。 

自治体DX先進市である長野県塩尻市が令和3年(今年)5月に定めた「塩尻市デジタル・トランスフォーメーション戦略」を引用して質問させていただく。

⑴ そもそも小金井市がDXに取り組む大義と戦略策定について

そもそも小金井市がDXに取り組む大義と戦略策定について

企画財政部長

◇日本のスマートフォン普及率は今や80%を超え、情報環境は様変わりし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、AI技術などの活用、各種コミュニケーションのオンライン化など、技術的な進展が急速に進んでいる。
今後、更なる技術革新で生まれるデジタル技術による社会変容が見込まれる中、市民サービスの変革、向上とともに情報セキュリティ、デジタル・ディバイド対策の推進が求められていくものと認識している。
第5次基本構想・前期基本計画案においては、効率的な行政運営を進め、あらゆる人が利便性を享受できるよう、行政手続のオンライン化によるワンストップ・ワンスオンリー化など、市民サービスの向上及び社会課題の解決を図り、あらゆる事業においてデジタル技術の利活用を推進していく旨、施策の方向性を示している。
取り組む戦略については今後さらに検討を重ねていく。
令和7年度までの対応が求められている、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律について、今から計画的に対応するためにも、BPR(Business Process Re-engineering=業務改革)でもある業務運用の見直し等が先行している自治体クラウドへの合流に向けた検討作業に着手した。

資料にもある通り塩尻市では「自治体が変革に取り組む背景」には

今後自治体の経営資源は大きく制約されることが想定され、職員数が減少する中でも、増加し続ける業務に対応し、行政が本来担うべき機能を発揮するためには、日々進歩するデジタル技術を有効に活用しながら、職員が企画立案などの「人でなければできない業務」に注力できる行政経営体を構築することが急務です。」とある。

国の方針だからということだけではなく、大きな変革を伴いながら着実に取り組まなくては自治体運営が滞ってしまうと考えるが、如何か。

企画財政部長

スマート自治体の実現はさらに期間が明確になり、自治体クラウドと検討にあわせて取り組むBPR、業務運用の見直しにあたり、成功体験も積み上げ、ポストコロナ時代も視野における行政経営体の構築を目指すものと認識している。

⑵ DXを推進するスケジュール策定とマイルストーンの設定について

デジタル技術の活用に当たっての課題をどう克服していくか。実現可能な範囲を見定め、その実現に向けてすべての関係者が一致協力して取り組んでいかねば、DXは成し遂げられない。
DXを推進するスケジュールとマイルストーンを定めるべきと考えるが、市の見解は如何に。

企画財政部長

◇地方公共団体情報システムの標準化に関しては、市全体を見渡してデジタル技術を活用することが現実的で、効果的な範囲というものを見定めることが重要であることはご指摘の通り。
◇そして、やはり市全体として取り組みを進めるためには、到達目標、中間指標といったマイルストーンを設定することや計画的に推進するためのスケジュールを定め、認識を共有する必要があると考える

◇国から示されておりますデジタルガバメント実行計画の工程も、デジタル庁発足によって、より具体化してくるものと考えられる。そのあたりもしっかり見極めたい。
◇第5次基本構想・前期基本計画における位置づけはもとより、行財政改革と連動し関連付けていくか、今後検討していかなければならない

⑶ DXを推進する目指すべき体制を明確にするべき

DX関連施策を取りまとめ、牽引する組織、推進体制を整備することは必須と考えるが、市の考えを問う。

企画財政部長

◇組織、推進体制については、総務省から示されている自治体DX推進手順書にもあるとおり、全庁的・横断的な推進体制を構築することが重要と考えている。
◇各業務担当部門をはじめ各部門と緊密に連携する体制があってこそ、司令塔の役割が重みを増すという面もあり、まずは本市にとってのDXの方向性についての認識共有・機運醸成を図っていくことが肝要である。
情報システムの標準化対応について」多くの担当課、コンサル、市長、副市長におきましても参加し、庁内キックオフとして始まった。
現在の状況から庁内体制を整えるための要綱整備本市における自治体DXの方向性を定めるところ及び事業に係る人財課の取り組みを進めていく

要綱整備の時期はいつごろか。どのような概要で考えているのか。非常勤のCIO補佐官の投与やアドバイザーの派遣なども考えられないか。また、全職員を対象としたDXに対する人材育成や、働き方改革なども並行して検討しないか。

企画財政部長

〇これまでも本市には情報通信技術、ITの調査、研究、総括的な進行管理を所掌としたIT推進本部を要綱により設置していたが、情報施策の基本的な方針を定めるとともに、その実現に関する事項を統括することも念頭に、10月を目途として要綱を改正する
〇デジタル人材の育成、働き方改革等は、全ての職員に関わってくるところであり、DXの方向性について共有した上で、職員を対象とした研修等を通しながら、機運醸成を図りたい

質疑の様子は動画(YouTube)でご覧いただけます。(0h01m55s から再生