会派視察(2009.11.16-2009.11.17)

一日目 その1

名古屋市の「鳴海工場」(シャフト式ガス化溶融炉)において施設見学及び、ゴミ処理施設についてディスカッションを行ないました。

名古屋市には鳴海工場のほかに、3つの焼却施設と、破砕工場があります。鳴海工場の位置づけは、瑞穂区・南区・天白区・緑区の63万人の可燃ごみと、破砕工場で出た、破砕可燃物・破砕不燃物を受け入れている。特徴としては2点あげられるが

  1. 安定稼働と環境にやさしいシャフト式ガス化溶融炉であること。
  2. PFI(BTO方式)を導入していること。

があげられる

事業形態としては、

  1. 環境省の国庫補助金
  2. 企業8社の出資
  3. 金融会社4社のバックアップ
  4. 名古屋市の事業契約

となっており、設計・建設は、新日鉄エンジニアリングが行なっている。

設立は、平成16年12月。265トンを処理する炉を二基持ち、日量530トンを処理する。

エネルギー回収としては、蒸気を利用したガスエンジン(コージェネレーションシステム)での発電(9,000kW)/日)を行なって電力を売っている。溶融物として無害のスラグ・メタルと、処理量に対して、3%程度のパウダー状の飛灰が排出される。飛灰は薬剤で練って重金属の危険性を排除し、最終処分場へと運ばれている。

  • 所感

何点か質問をさせていただきました。こちらはダイオキシン類が国の基準の半分以下という、環境にも易しい施設となっている。シャフト式溶融炉のため、通常の焼却炉に比べると、炉に係わる面積は狭くてもすむというとことは魅力的ではあるが、燃焼室や、ろ過式集塵器等を加えていくと大きな設備となる。鳴海工場は付帯設備と2炉ある中で、30,000m2 を要している。小金井ではそのような敷地面積はないので、検討が必要になる。処理方式は様々ありますが処理場を考えていく上で大事なポイントは、最終処分場へ持ち込まれる量がどれだけ減らせるかということになる。もちろん、近隣への安全管理が最重要ではあるが、昨今の建設にかかわる環境アセスにおいて、問題がある施設が建つことは非常に考えにくいし、それは絶対にあってはならないからだ。だとすると、どこを観点とするのかとういと、後世に向けてどれだけ配慮ができるのかということだと考えます。最終処分場も限りある場所だということを忘れてはならない。ちなみに現在、小金井市のゴミは最終的に焼却灰を“エコセメント化”している。

 一日目 その2

豊橋市における「こども未来館」に伺い、施設見学及び、設置に関するご苦労や、地域との連携をどのように工夫されているのかなどお話を伺いました。

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豊橋市は、人口39万人。自動車製造業の関係で外国人登録者が約2万人と多く、とくにブラジル籍の方が多いということ。施設も、日本語、英語に加え、ポルトガル語の表記が目を引いた。

「こども未来館 にこにこ」。「にこにこ」は「ここに来れば、みんなニコニコ」をもじった愛称です。基本コンセプトを「ささえる・ためす・ふれあう・あらわす」と定め、新たな多世代交流施設として、H20.7開館しました。

1万5千m2の旧私立病院跡地を利用して立てられ、地域商店街を意識して、食堂を設けず(飲食は可能)、常設駐車場も少なめにすることで、駅からの導線を意識したつくりとなっている。

施設は、直営+指定管理者+ボランティアで運営されている。また、地域の老舗のお寿司屋さんや、人気のケーキ屋さんが講師となり、こどもたちに本物の仕事体験を行なっていることも特徴の一つです。

乳幼児と保護者を対象とする「子育てプラザ」(ささえる)。乳児、小学生を中心とする「体験・発見プラザ」(ためす)<キッザニアのような感じ>。子どもから大人までが集える「集いプラザ」(ふれあう)がある。また、特別室として、工房室や調理室も用意されている。指定管理者が主体となり、子どもだけでなく高齢者や母親向けの講座を開催して特徴ある運営に力をいれている。

開館からまもなく、一年半。今はまだ、興味本位で訪れる人も多いが、「地域一体化、広域的観点、形骸化の排除、利用者目線、時を得た催」が、館の課題であると厳しい評価をする館長でした。

  •  所感

私からは、いくつか質問をさせていただきました。その中で、ボランティアの育成についても伺いました。センターとしてボランティアを育成して、積極的に館のサポーターとして活躍をしてもらっている事でした。また、指定管理者に係わる費用は2.4億万円。そのうち、人件費は9万円という事から、人材をいかに活用するかが館の運営の鍵であるという、考え方が伺えた。非常に、施設も運営方法もこどもの目線にたって検討がされており、すばらしい施設であることを感じました。話はそれますが、地域での集いの場の確保は非常に重要な課題であることを改めて感じました。それも、世代を超えた集いがいま大事であると思う。また、このような施設は、まだ母子の観点がつよいと思うが、父親の子育て参加については、男女平等の社会参加の観点からも、もっと積極的に推進していかなければならない。こども未来館はその点も配慮されている施設でありました。

 二日目

八尾市役所と「プリズムホール(八尾市文化会館)」に伺い、「芸術文化振興プラン」設置に関わるお話を伺い、施設見学と、意見交換をさせていただきました

施設は昭和63年11月に開館になり、1,440席の大ホール、386席の小ホールにリハーサル室、練習室、レセプションホール、会議室他がある、延床面積14658.40㎡の地下2階、地上5階の非常に規模の大きなホールでした。駅から5分ということもあり、駐車場は十分にないのですが、近隣の大型スーパーに買い物と合わせて来てもらうことで、地域活性につなげようという考えが伺えました。二十年前の設計とは思えない先進的な設計でした。こちらも親子シートがありましたが、小金井に建設中の(仮称)市民交流センターにはあったのか確認が必要です。周辺の規模の大きな隣接市からも多くの利用者がいるとの事で、次々と大型講演が企画されていた。

  •  所感

入札の結果、(財)八尾市文化振興事業団が指定管理者として管理しております。入札は金額だけでなく、芸術文化振興プランの理解度も審査の基準となっているというところは、参考になりました。

八尾市では、様々な文化活動を(財)八尾市文化振興事業団が受けて、実行委員会(市民)方式で事業を行なっている。事業団の指導によって実行員会もちからをつけて、興行講演以外にも、市民参加イベントが数多く開催されている。小金井においては、イベントの参加者数は非常に高いが、実行委員会への参加率はとても低いように思う。市民協働の視点から、さらに多くの方を巻き込み、盛り上げていけまればと思いながら、帰って参りました。

こちらに書ききれ無かった点。また重要な点については、さらに調査を深めまして、今後の活動や議会質問の中で取り上げてまいりたいと考えております。