厚生文教委員会行政視察報告 (2013.11.06-11.07)

一日目

  • テーマ/場所:
    「市民の学習活動を支援する「木曽川アカデミー」」について 岐阜県各務原市
  • 期間:2013/11/06 (1日)
  • 視察内容:

各務原(かかみがはら)市は愛知県犬山市と隣接し、名古屋市から30kmに位置、航空宇宙産業を中心とした、製造業を中心とした、面積は小金井市の約8倍、人口14万5千人の市です。また市役所の横の、航空自衛隊岐阜基地は、「風立ちぬ」でも有名となった故・堀越二郎氏の零戦初飛行を遂げたのもこの地であり、小金井市との縁も感じます。

2013-11-06 14.56.14

平成12年度から、市民の学習活動を総合的に支援するために、講座などの事業を体系化し、市民が学習した成果について、市が一定の基準(単位制度)を設けて認定しています。講座などに出席すると、「1回受講1単位」を基本として、パスポートに受講証明のスタンプを押印してもらい、100単位を修得し申請すると、「学習歴認定証」が授与されるという仕掛け作りで取組意欲を増しています。

講座は、行政だけでなく、市民や、大学など関係施設などで実施しているものも一纏めとして、半年毎に冊子を全戸配布していることも市民にとっては問い組みやすいと感じる。また、隣接する犬山市と県をまたいで、講座の交流をするなど、興味深い取り組みを学ばせていただいた。

  • 所感

この取組を所管する、担当課を生涯学習課から、「ライフデザイン課」として、教育委員会から市長部局に移管していることが素晴らしい。

小金井は学習意欲も高い地域であり、多くの教育機関もあることから、協力を求め特性を生かした、講座の開設などができるのではないでしょうか。また市民講師・講座を増やすには、文書規定だけでは判断が難しいことから工夫が必要そうでるが、経験豊富な市民力の高い本市においては、大変に面白い取組だと感じる。また、データの蓄積を行い、生涯学習を活性化させることで、健康維持・医療費削減にもつながるということを検証していくことで更に効果をますのではないかと考える。

二日目

  • テーマ/場所:子どもの権利条例に基づく「子ども会議」について 愛知県豊田市
    「子どもの権利擁護委員」というオンブズパーソン制度について 愛知県豊田市
  • 期間:2013/11/07 (1日)
  • 視察内容:
2013-11-07 10.17.45

豊田市は1938年にトヨタ自動車工場を誘致以降、自動車産業を核とした工業都市であり、2005年には、隣接町村と合併し、農山村部を含む広大な都市となりました。

現在は環境モデル都市「ハイブリッドシティとよた」を掲げ、様々な環境施策が展開されている。視察先の庁舎では、交通の分野の実証実験から発展した取組、トヨタ自動車株式会社やヤマハ発動機株式会社といった民間企業等と共働で実施するHa:mo(ハーモ)を見る機会がありました。庁用車のトヨタのエコカーは車庫での屋根に設置された太陽光パネルのみでフル充電が可能。貸し出し用の超小型電気自動車と電動アシスト自転車は、市内13箇所(駅やスタジアム等)の車両ステーションに乗り捨てが可能なシステムです。

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子どもを巻き込みながら策定してきた、こども条例の下に作られた、「子ども会議」については、任期を二年とし、市内在住、在学の小学生から18歳未満の子どもを対象に募集している。平成25年度は、現在31名。サポーターは大学生3名、社会人3名で毎月一回の会議が行われている。テーマはチーム毎に決定し、終了時にシンポジウムとして研究発表が行われている。6年目ということで、メンバーからサポーターへ移行した子どもさんもいるとの事です。
「子どもの権利擁護委員制度」について、平成24年度は、新規相談件数152件、相談数延べ867回にのぼります。約半分は大人からの相談で、小人の相談は小学生と中学生が半分ずつである。駅前商業施設内に相談室があるのも特徴です。子ども条例は、年代別のテキストを作り、学習をしているところなどは工夫をされている。
一方多くの課題についてもお話を伺えた。子ども会議については、やはり参加する子ども層が特定してきている事から、子ども会や地域の課題について、もっと幅広く声を集めていく必要があるとの事。また、「子ども」という表現に、権利擁護センターなど高校生以上の利用が少ない現状があり、更なる、工夫が必要であるとの事。

  • 所感

子ども会議については、面白い取り組みであるが、テーマと成果を明確にしないと、放課後子ども教室などと同じようになってしまうという懸念も感じる。運営には確りとした理念と計画が必要です。また権利擁護センターについては、センターに限らず、子ども達の声を聴ける場所作りが必要であることを強く感じた。多様な悩みを抱える、現代の子ども達に対して、方法は様々ありますが、学校や家庭以外で子どもが、大人と話しができる場所ができたら良いと考える。また乳幼児相談と違って、思春期の子育ての悩みを聞ける場所を整備・拡充することも非常に重要だと感じる。

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環境省の『学校エコ改修と環境教育事業』に指定され、市立土橋小学校をモデル校とした事業を視察させていただきました。地球温暖化防止につながる学校改修を進める「ハード整備」と、その整備を活用し、学校と地域が協力した環境教育の推進や環境建築技術の地域への普及・波及といった「ソフト事業」を一体的に進めるもので、平成24年3月事業完了しています。断熱性や、風通し、日照コントロールに配慮した学校の作りに加え、環境学習に配慮した、エコブリッジや、豊田市産の桧を活用した家具や、廊下と一体化したオープン教室、省エネの取組が自発的に行えるなどの工夫がされています。

 

  • 所感

2013-11-07 11.14.19視察させていただいた中でも、ものづくり学習、環境学習の観点から「トイレでエコを学ぼう」という取組の中で、子ども達が自らデザインし、自らタイルを施工したことにより、愛着がわき、綺麗に使用し一生懸命掃除を行ってピカピカになっているトイレはとても参考になりました。

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そして、なんといっても6年生によるエコガイドは言葉にならないほどの衝撃がありました。学校中を歩き、自ら学んだ事や原理を、自信を持って私達にプレゼンをしてくれている姿は大人顔負けでした。環境の取組も方法次第で人間をここまで育てるのかと思わせていただけるほどでした。こういった部分についても、取り入れられるべきところは是非参考にして参りたいと思います。

以上