浅川清流環境組合議会行政視察報告(2018.08.07-08.08)

浅川清流環境組合議会で、水銀リサイクル施設の設備、運営維持管理状況等を視察し、新可燃ごみ処理施設の運営等の参考とする目的で、北海道北見市「野村興産株式会社イトムカ鉱業所」さんに視察に参りました。敷地は東京ドーム8個分ととても広大です。

昭和11年に大雪山の中で水銀の鉱山が発見され、以来、イトムカ鉱山 (イトムカ=アイヌ語で光輝く水)として、東洋一の水銀鉱山として生産が続けられてきました。当時は、鉱山には学校などもあり、多くの人が働かれていました。しかし、水俣病問題を発端とする公害問題により、水銀の需要が低下。1974年(昭和49年)に採掘を中止・閉山されています。

採掘中止と同じくして、野村工業株式会社によりイトムカ工業所の技術をすべて活かした、水銀廃棄物処理を担う事業が開始しました。

現在、社団法人全国都市清掃会議・廃棄物処理技術センターが唯一「広域回収センター」に指定してる含水銀廃棄物処理施設でほぼ全ての自治体の同廃棄物を処理しています。勿論、組合の三市も分別された乾電池、蛍光灯、体温計や血圧計などは、こちらに運ばれて処理されています。いつも、ありがとうございます。

最新鋭の処理により年間約50トンの純度の高い水銀が精製され、多くは輸出されております。一部、国内でも実験施設などで使われています。
乾電池は、ロータリーキルンで800度で焙焼され、残った亜鉛滓の多くはなんとブラジルの珈琲農園の肥料として6000トンが再利用されています。
蛍光灯は、破砕洗浄選別され、水銀以外の高品質化レットは、ガラスウールの原料となり、断熱材として利用されたり、近隣の網走でガラス工芸品の原料として再利用されています。

32年度本格稼働に向けて最新の技術によって建設が進む、浅川清流環境組合の新可燃ごみ処理施設であっても、水銀が紛れ込むと安定運用に支障が出て参ります。現在でも多くの含水銀廃棄物がご家庭や企業にも眠っています。まず、我々にできることはゴミの分別と啓発活動です。様々な形で努力して参ります。

 

 

https://www.nomurakohsan.co.jp/company/access/itomuka より添付