公共施設マネジメントの進捗と待ったなしの課題解決について(日曜議会)
「小金井市公共施設等総合管理計画」が平成29年3月に完成して3年が経過した。令和2年度からは、主に学校施設などの個別管理計画の取り纏めなど、改定に着手をしていくと施政方針に示されているが、これまでの具体的な進捗が目に見えてこない。二期目に向け「公共施設マネージメントの実践」を市民と約束をしてこられたので、課題の優先度を定め、具体的に示されるものと思っていたが、特筆すべき内容は無かった。
※クリックして「1.子ども食堂の更なる取組について」へとぶ
※クリックして「2.小中学校のICT環境の更なる充実について」へとぶ
⑴ 公共施設マネジメントの進捗について
庁舎建設も実施設計に向け大切な年度となるが、市民全体に将来大きな影響が及ぶ、公共施設マネージメントをどうするのか。総合管理計画で更新費用は、本市が充当可能な財源である15億円の3倍の推計平均43億円(一般会計の一割)が35年間必要とされている。具体的な対策が未だ示されないままに、「100億円規模の庁舎建設だけは、着々と進んでいます」という事では、市民の方の不安は広がる。これまでも議会からは権限の整理や体制強化、財源確保が要望されてきたが、それらについて新年度に向け具体的にどのような指示を出しているのか伺う。
(市長)施政方針の内容に尽きる。公共施設の将来像が極めて重要。現状の職員体制の充実は感じているが、適材適所、バランスを考えながら対応したい。
1期目のはじめは6施設複合化で生み出された跡地を売却すると言っていたが、今はどういう方針なのかよくわからい。また、市長就任後、民間企業や大学、団体と連携協定が増えているが、公共施設を見直す上で、そういう関係性をどう生かしていくのかとても重要な視点だと思考えるが、見解を伺う。
(市長)考えがないという事ではない。基本方針を踏まえ検討していく。
⑵ 学童保育の大規模化には、迅速な対応が必要ではないか
学童の大規模化は長年の課題である。育成面積の不足については、特に、みどり学童やまえはら学童などでは、待った無しの状況。先の答弁で「五つの手法」(①学校の教室を借りる②建設をする③物件を探す④民設民営⑤放課後子ども教室の活用)があり、定員に対して40人以上不足している学童の優先的な緊急対応の必要性を感じていると見解を述べられたが、全入も維持をされていくという事であれば、特に、両学童については、公共施設マネージメントの検討の進捗を待つこと無く、早急に校庭に新設をするなど、具体的な方策を本格的に検討開始する以外に無いと考えるが、如何か。
(市長)児童数の推移を注視し、短期的、中期的、長期的視点を持ちながら課題対応に努める。小学校全体の児童数も増える中で、最大限努めて行きたい。最善の方策を考えなければいけない。
⑶ 学校施設の必要な修繕は適宜行うべきではないか
雨漏りなど、現場からは早期の修繕を求める声が届いている。個別管理計画の取り纏めの時期などに引っ張られて、緊急性の高い対応が後回しになっているような事はあってはならない。
(市長)学校施設全体に老朽化がみられるが、緊急性があるものは最大限対応したい。
⑷ 図書館の今後の在り方について具体策を早急に示すべきではないか
市民要望としては図書館充実は、断トツに高い。平成30年に運営方針が示されたが、その後、不足面積の中で、貫井北分館規模の図書館を市内に数か所設置していくのか、大きな中央図書館にするのかなど、何の方針も示されていない。
(市長)運営方針の中で当面は現状のままとされている。今後については、課題であることは認識しているが、現在の本市の最優先課題は、庁舎の建設と清掃関連施設の整備である。
⑸ 空き家・空き室を活かした寄り合い所を設置するべきではないか
平成28年の市民アンケートでも多数お寄せいただいたご意見と重なるが、高齢化に伴って、既存の集会施設や公民館までの距離が遠く、不便を感じている方も多い。2025年問題も見据え、地域で自立した生活をしていただく為にも、空き家・空き室を活用して、自治会などに、管理をお願いする前提で、地域の多世代交流の場として、貸し出しができないか。
<時間が無く質問できず。予算委員会などで解明いたします。>
⑹武蔵小金井駅北口のまちづくりをどうしていくのか
武蔵小金井駅北口の大型商業店舗が閉店し、市街地再開発準備組合も解散したという状況が続いているが、北口のまちづくりは今後どうなるのか。市は、地元の動きを見守るだけでなく、市域全体のまちづくりのイメージ・スケジュールを示すことで、まちづくりを牽引していくべきではないか。
<時間が無く質問できず。予算委員会などで解明いたします。>
📺質疑の様子は動画(YouTube)でご覧いただけます。(0h32m34s から再生)
質問にあたり
市政の最優先課題であります可燃ごみの処理につきましては、新施設周辺住民の皆様をはじめとする、日野市全ての関係者の皆様のご理解の下、浅川清流県境組合において、昨年(2019年)12月から新可燃ごみ処理施設の試験運転に伴う、可燃ごみの全量搬入が開始され、本年4月から本格稼働する予定となっております。この場をお借りいたしまして、深く感謝を申し上げます。また、13年間に及ぶ本市の可燃ごみの処理に関わる、人道的ご支援に対しまして、ご理解ご協力を賜りました、多摩地域各団体や施設周辺の皆様、日の出町の皆様、東京都、全ての関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
現在、新型コロナウィルスに対し、市民の皆さまの不安も高まり、経済への影響も広がっている。政府は、2月20日、セーフティーネット貸付、信用保証制度の支援強化を決定。東京都でも、緊急融資制度の新設をする補正予算を用意した。しっかりと市内業者の方々にも浸透させていただきたい。世間では、時差出勤やテレワーク、都立高校の春休みの前倒しが行われる中で、小金井市の要職者が集う市議会定例議会においても、慎重な対応が求められるのは言うまでもない。マスクを着用したままの発言はもとより、市議選の前などのスムーズな審議などを参考にするなど、リスクマネージメントとして、たとえ、感染しそうなケースにおいても、可能な限り発生を抑えるため体力を養っておくよう努めるべきと考える。
1 子ども食堂の更なる取組について
小金井市の子ども食堂については、2018年、提案を受け社会福祉協議会に「子ども食堂推進連絡会」を立上げていただき、都からの補助が得られるようになった。子ども食堂は、小金井市においては、食育推進計画の中にもある、小金井らしい食生活(=Koganei-Style))とも密接に関係をしている。
小金井らしい食生活とは
- 地場を中心とした新鮮な野菜を楽しみ、低農薬等、良質な野菜にこだわる
- 家の人や友人・知人との団らんを大切にした食事をする
- 地域のふれあいを大切にし、環境に優しい食生活を実施する
特に、孤独な食事である孤食対策。また、食を通した地域とのふれあいという意味では、大きな役割を果たしている。さらに、厚生労働省が1月に発表した2018年の国民健康・栄養調査の結果の中で、所得によって栄養バランスの取れた食生活ができていないというデータが注目されている。「栄養格差」の影響を特に受けやすい子どもと高齢者に対して、「子ども食堂」や「おとな食堂」の重要な役割が認識されており、市としての取組を強化する必要がある。
⑴ 「子ども食堂」の運営状況、課題と対応策について
小金井市の「子ども食堂」の運営状況、課題と対応策について伺う。
(子ども家庭部長)共通する課題としては、「場所の問題」と「運営スタッフの確保」の2点がある。行政としては協力できる部分につきましては、個別に相談にのっていきたい。
市の課題としては、補助制度をなるべく多くの団体の方に有効活用していただきたいと考えている。書類の作成等の支援も含め、気軽にご相談いただけるよう、連絡会で声かけをしている。今後も情報を共有しながら、連携したい。
⑵ 市の政策的位置づけについて
市の計画としての位置づけが不明確である。今後、市の計画にしっかり位置付けて推進していく必要があると考える。
(子ども家庭部長) 現在策定中の「のびゆくこどもプラン小金井」の次期計画において、計画の課題と方向性として、「地域における子どもの居場所づくりの推進」を掲げている。子ども食堂も、多様な居場所の一方策であると考えている。
令和2年度の取組予定としては、「小金井子育て・子育ち支援ネットワーク協議会」において、市内の様々な子どもの居場所を調査。その情報を、子育て・子育ち支援サイト「のびのびーの!」に掲載予定。「子ども・子育て会議」でも「子どもの居場所づくり」に関する分科会の設置も含めた検討を考えている。
⑶ 「地域子供の未来対応交付金」を積極的に活用しないか
国は、子どもの貧困対策に取り組む地方自治体による、地域における実態調査、地域ネットワークの形成等の取組を包括的に支援することを目的として、「地域子供の未来応援交付金」を創設した。多摩地域の9市が既に活用しているが、小金井市でも活用できないか。
(子ども家庭部長) 令和2年度までは、「子供家庭支援区市町村包括補助事業」を活用している。令和3年度以降は、国・都の動向も注視しながら、市の子どもの居場所づくりの推進とともに、今後のあり方も検討していく。
⑷ 高齢者の孤食を防ぐ「おとな食堂」を検討しないか
国立社会保障・人口問題研究所が昨年公表した、2040年度までの都道府県別世帯数の推計結果によると、東京都内の65歳以上の高齢者の世帯の45%は一人暮らしになると見ており、ひとり暮らしの高齢者の孤食を防ぐ「おとな食堂」の試みが広がっている。東京都では、2030年度までに、100カ所創設する方針を掲げでいるが、本市においても積極的に招致をしないか。本町住宅なども有効と考える。
(福祉保健部長) 超高齢社会を迎えるにあたり、今後、単身高齢者世帯や高齢者のみの世帯の増加が予想される中、「見守りあいのまちづくり」が重要な取組みであると考える。
地域での交流はじめの機会づくりとして、一人暮らし高齢者の会食会・交流会を令和2年度に新たに実施する。その他、地域内の組織・機関・団体や住民などが連携し、高齢者の多様な日常生活上の支援体制の充実や社会参加の推進を住民主体で図っていく事業として、「生活支援体制整備事業」がある。地域の支援ニーズとサービス提供主体の活動をマッチングすることにより、高齢者の地域課題の解決を図ることを目指し、各地域包括支援センターに生活支援コーディネーターを配置し、相談に応じている。本町住宅については要望として伝えていく。
民間や市民の方々の力も活用し、「地域食堂」として、世代を問わず、食を通して集える場を、市が積極的に整えていかないか。
(福祉保健部長) 住民主体の取り組み等の中で、高齢者の通いの場や地域での活動として、「おとな食堂」等、多世代交流の場についてのご相談があった際は、関係部署と連携の上、積極的に支援して参りたい。他市の動向等を踏まえ、ご協力いただける団体等があるかも含め、今後の研究課題とする。
⑸食育や農福連携の観点からも、地場野菜の活用ができないか
フードドライブ事業とも連携しいるが、農家さんとの連携は小金井市の特色にもなり農福連携にもつながる。廃棄せざるを得ない野菜など回収方法など、市が橋渡しできないか。
(市民部長)今後、都市農地は、生産現場という役割に加え、「農」を中心に据え、様々な市民が集う地域コミュニティの「場」として、都市になくてはならないものになっていくものと期待をしているところであり、このような観点から、食育や農福連携をとおして農業関係者以外の様々な市民が農業に関わり、農地に親しみを感じていただくことは、都市農業を発展させていくうえで重要なことであると考えている。
現状では、生産者側の課題として、高齢化、人手不足などに加え、「農福連携」という言葉やイメージ自体がまだまだ浸透していないと感じている。新たな取り組み事例を地域や生産者に情報提供することで、農地の新たな活用方法として食育や農福連携の取組が推進されることを期待しておりますし、その可能性は十分に高いと考えている。従って、「子ども食堂」などとの連携についても庁内関係課と連携し、生産者と地域や団体を「つなぐ」ことは可能と考えており、具体的な案件があれば経済課の窓口でお受けしたい。
2 小中学校のICT環境の更なる充実について
国で成立した2019年度補正予算には、学校現場のICT(情報通信技術)化を推進する「GIGAスクール構想」実現のための経費が盛り込まれている。(児童・生徒が1人1台のパソコンやタブレット端末を持ち、クラス全員が一度にアクセスできる通信環境の整備を支援するもの)
新聞記事:経済協力開発機構(OECD)が、世界の15歳を対象に実施した国際学習到達度調査(PISA)によると、日本の子どもは、ネット上の膨大な情報の中から必要なものを探し出し、信頼できるか見極める能力が十分育まれているとは言えない。
以上のような現状は見過ごすわけにはいかない。東京都でも、国のGIGAスクール構想を受け、令和2年度「TOKYO スマート・スクール・プロジェクト」に取組む事を発表。小金井市の小中学校においても更なる取り組み強化が求められる。
⑴ タブレット端末の導入状況と利用状況について確認する
小金井市は数年前まで、ICT化率が全国1813自治体中、1809位だった。現在のタブレット端末の整備状況について伺う。
(学校教育部長)現在、13.4人に一台の携帯型情報端末が整備されている。令和2年度には各校40台づつ整備して、6.9人に一台になる。令和5年度には、3人に一台のICT環境になる予定。
⑵ 課題と解決策について
端末の起動時間が遅いなど問題も伺っているが、現場での課題と解決方法について伺う。
(学校教育部長) GIGAスクール構想に合わせて計画の見直しが必要。昨今、クラウドを活用したシステム全体が低コスト化している。現在の予算の範囲で台数を増やすことが可能となっている。高速大容量の通信ネットワークは喫緊の課題。ネットワーク負荷の分散方法について検討をする。
学習のツールの一つとして考える。外遊びなどの配慮、情報モラルの重要性、知徳体のバランスのとれた教育。地域保護者のご理解も大切。低学年ではまず体験し、中学年頃から段階的に増やすなど考えながら進めている。
⑶ 東京都「TOKYO スマート・スクール・プロジェクト」への取組について
東京都では新年度、一人一台のモバイル端末。通信環境(無線LAN)の整備を積極的に行く自治体を支援する56億円規模の補助メニューを用意しいる。補助金の活用を積極的に進めるべき。
ICT教育の今後の方針について見解を伺う。
(教育長) PISAの調査では日本の子どもの読解力は15位まで下がっている。未来を生きる子供たちは、正しくICT教育を学ぶ必要がある。今までのプログラミング教育ということだけではなく、調べたいときにいつでも調べられる、自分の学びの程度に応じて学べる環境。すなわち①新しい読解力、②いつでもどこでも何度でも学べる環境、そして③プログラミング教育の三つを達成する為、全力で環境を整えていきたい。
📺質疑の様子は動画(YouTube)でご覧いただけます。(0h15m58s から再生)