平成24年第3回臨時会「議案第70号 小金井市職員に支給する諸手当を一括して適正化する条例」に対し、市議会公明党を代表して反対の立場から討論をいたします。
小金井市はかつて革新市政の時代、職員の大量採用が行われ、昭和51年度には歳出にしめる人件費比の割合が45.2%となり、7年連続計8回全国ワースト1を記録し、第二の夕張とまで言われるほどの財政悪化をもたらした事は、まぎれもない事実であります。
その後、我々市議会公明党が先頭を切り、行革を進めてきた結果、大きく状況は改善され、ピーク時の平成7年度から約34億円、直近5年間では、約15億円の人件費を削減してきた事をまず評価したい。
平成18年度から市は給与構造改革を断行してまいりました、
具体的項目 | 財政効果 |
業務委託の実施や、非常勤職員や再任用職員を活かし、新規採用不補充の実施 | |
平成22年4月には、給与水準を2.3%引き下げ | 約6百2十万円を削減 |
平成23年4月には、小金井市独自の給与表から、多摩26市中、21市が導入する東京都の給与表へ切り替え | H23年度には約5百4十万円を削減 H24年度試算では約2千3百万円を削減予定 |
平成23年4月からは、住居手当を4年経過措置で4千円値下げすることをすでに議決しており | H23年度からH27年度の五年間で約1億6千万円を削減予定 |
平成23年4月からは、地域手当を2年経過措置で2ポイント下げ、国基準10%にすることをすでに議決しており | H23年度、H24年度試算で約8千7百万円の削減予定 |
等すでに市は様々な対応を行ってきており、諸手当を含めた平均給与月額は東京都よりも低く、多摩26市中下から三番目に位置することを確認しておきます。
もっとも、評価をしたいのは、退職金の考え方の変更であります。退職金の平均額を平成16年度以降3000万円台から、平成23年度には300万円以上減額する中で、年功型から貢献度型へ国や東京都と同様の制度改革をしたことも大きな点であります。これにより、民間同様に管理職を長く務めた職員の評価はあがり職員全体の市民サービスに徹するという仕事に対しての、モチベーションの向上につながる事はいうまでもありません。
結果、平成23年度決算値によると、人件費比率は16.9%で平成22年度多摩26市平均16.7%に近似するポイントが示されました。更に、今後は給与構造見直し後、いわゆる「わたり」等の解消のため現給保障を行った職員分の削減効果が年々期待されることも大きいことを付け加えます。
以上の事から、本議案は、小金井市が進めている給与構造改革の経過と評価が不十分な上での内容であり、事実と異なる事も多いこと、また職員の労働環境の不安をむやみに煽り、市民サービスの低下につながるものであると判断いたします。
我々市議会公明党は、東京都人事委員会勧告の内容も踏まえ、これまで同様に市民サービス向上の観点から、時代に即した職員待遇の適正化を推進することを市長へ求め、本議案に反対をいたします。
以上