西田まこと選挙対策委員長メモ

①東京29区を「認めない」としたこと

旧東京12区選出の現職である岡本衆院議員は、区割り改定により、選挙区が12区と29区に分割されたため、熟慮の末、荒川区と足立西部を含む29区側を選択しました。ちなみに29区側が12区と言う表記になったとしてもおかしくないのです。

他の自民党議員も同様に、例えば、旧18区から新30区を選択した長島昭久氏をはじめ、東京都連所属の自民党現職衆院議員18人が、分割された選挙区の一方を選択し、次々と発表しました。その自民党の選択を、これまで推薦してきた公明党が「認めない」とか「地元に反発がある」とか、ましてや「応援しない」などと言ったことはありません。

ところが、自民党都連は一貫して「認めない」との立場でした。そして5月9日に岡本議員が高島都連幹事長に挨拶の電話をしたところ、「今回の公明党のやり方は、あまりにも強引だ」「自民党本部から岡本さんに推薦が出たとしても、足立区と荒川区では自民党の現場は応援しない」「29区には、無所属で出馬したいと言っている人がいるので応援する」と通告されたのです。

29区をめぐる、こうした自民党東京都連の対応は、わが党からの信頼を失墜させた最大の要因です。岡本議員は公明党の現職衆院議員であり、選挙は必ず戦わなければなりません。したがって公明党としては「自民党からの推薦は求めない」事を言ってきたのです。自民党に対して公明党から推薦を出さないのは、その結論から導き出されたものであって、「こちらから自民党に推薦を出さない」事を言ったものではないのです。

②千葉を降ろす際の約束を最悪の形で破ったこと

もともと、公明党としては10増10減に伴い、東京・埼玉・愛知に加え、新設される千葉4区か14区における擁立を求めてきました。

しかしながら、4月に行われる衆院千葉5区補選の勝利を至上命題とする自民党から「千葉での公明擁立は諦めてほしい」との強い要請があったのです。なぜなら、千葉5区補選は旧区割りでの選挙であり、新選挙区では、その一部が新4区に分かれるため、新選挙区での支部長を決めなければ自民党の力が発揮できないからです。

公明党としては、求めている4つの選挙区のうち、1つだけ先行して取り下げるのは地元の反発も含めて厳しいので、統一選が終わるまで自民党内で調整してもらい、統一選後に一括して正式な回答をもらいたいとの立場でした。

自民党からは、
 1.埼玉、愛知は党本部として事実上、腹を決めている。地元県連の反発を抑えるためにも公明党として早期に公認発表してもらって構わない。
 2.公明党が求める東京28区は最大限、努力する。統一選が終われば雰囲気も変わるので、5月いっぱい時間をいただきたい。
との話があったのです。

つまり、公明党が求める4つは無理だが、2つは発表してもらって構わない。3つ目は最大限努力する、ということです。

私は、その条件を信じ、千葉を取り下げるよう党内を調整しました。また自民党からの求め通り、3月9日に埼玉14区と愛知16区を公認発表しました。一部報道で公明党が自民党の了解を得ず、強硬に埼玉・愛知を公認したなどというのは、真実と真逆の誤報です。

4月23日に行われた衆参5補選では、公明党として自民5候補を推薦し、必死に応援いたしました。結果は自民党の4勝1敗。千葉や大分をはじめ、公明の推薦協力がなければ、敗北していた可能性もあるほどの厳しい戦いでした。

ところが補選の投開票日から、わずか2日後の4月25日。自民党サイドから「東京28区での公明候補擁立は難しい」との通告がありました。「5月いっぱいまでに結論を出す」との本来の約束からすると、あまりにも唐突であり、しかも、補選で公明党推薦を得て辛勝した直後におけるこの対応は、公明党としては侮辱としか受け取れませんでした。その背景に自民党東京都連幹部の強行姿勢があることは言うまでもありません。

③自民党からの最終通告に対する失望

自民党からの最終通告では、東京28区について「東京都連として既にわが党の候補者を決定していることもあり、党本部が地元を説得し、全面的な協力を得ることは、極めて困難「である」とありました。

公明党として、自民党の現職議員や内定者がいる選挙区は、交渉の段階で俎上に載せることはあっても、最終的には取り下げてまいりました。今回、公明党が要望してきた埼玉14区、愛知16区も当然、自民党に確認した上でのことです。ちなみに愛知16区については、公明党が当初要望していた選挙区の現職が引退しない予定なので、16区はどうかと、自民党側から提示されたものです。

私としては、自民党が東京28区の調整を5月いっぱいで最大努力するという条件を提示した際、「自民都連の広報物に、28区支部長予定者の記載があるが大丈夫か」と確認していましたが、自民側からは「それは都連でなく、党本部が決めること」と明言していたのです。それを最終通告で、「都連として既に決定しているので難しい」というのは論理破綻です。しかしながら、これまでの党としての原則通り、公認候補となり得る支部長予定者がいる東京28区での擁立は断念いたしました。

なお、最終案で東京28区の代替案として提示された東京12区と東京15区は、それぞれ自民党の比例選出現職、また小選挙区現職がいる選挙区です。

他党のことなので詳細には述べませんが、これまでの様々な選挙で、いずれも自民党東京都連幹部との軋轢があるとされる選挙区です。そのような内紛に対する当てつけのような形で、公明党に対して代替案を提示してくることには、大きな失望を禁じ得ませんでした。

①東京 29 区は 「国替え」 ではなく 「選択」

旧東京12区選出であるわが党の岡本衆議院議員は、今回の区割り改定で選挙区が分割された結果、一方の東京23区を「選択」しました。それが「国替え」と報道されていること自体が間違いです。そもそも、29区は旧12区の一部であり、そちらを「選択」したまでです。どの議員も同様の「選択」をしており、それを他党である自民党から「認めない」と言われる筋合いはありません。

②交渉は 「強引」ではなく「丁寧」

自民党議員が選挙区の「選択」をする際、こちらに相談されたことはないですし、それが自然だと思いますが、それでも、わが党としては「丁寧」に事を進めたい思いから、29区を「選」することについて事前に萩生田都連会長と高島都連幹事長に説明し、茂木幹事長にも了解を得た上で、本年1月25日に公認を発表しました。「強引だ」と言われるのは甚だ心外です。

③ 「応援しない」 と言われたので「推薦を求めない」

選挙協力というのは、対等に行われるものと理解しています。しかしながら、岡本議員は高島幹事長から、「自民党の現場は応援しない」「ほかの人を応援するつもり」と言われたそうです。「応援されない」のに、こちらが「応援する」のは対等ではないので、東京では推薦を求めず、選挙協力をしないと判断しました。

④現在、公明は 「289 選挙区」に対し 「9 選挙区」のみ

全国289小選挙区のうち、わが党が議席を有しているのは現在9選挙区のみです。これは明らかにバランスが悪く、10増10減に伴う新設の選挙区のうち、いくつかで擁立を求めることは決して強引なことではないと思います。そのために、自民党と「丁寧」に交渉を進めてきました。

⑤ 「千葉を諦めれば東京でもう1つ」 だったのでは

交渉の中で、自民党から衆院補選の関係で、「千葉での擁立を諦めてもらえば、東京28区を調整・説得するので、5月いっぱいまで結論を待ってほしい」とありました。信頼してその条件をのみましたが、5月末を待たずに「容認できない」との結論。公党間の約束がいとも簡単に破られてしまうのは、残念でなりません。

⑥ 「不誠実な対応」 はどっち?

ここにきて、「東京28区ではすでに都連が候補者を決定している」と初めて明かした上で、これまでわが党は自民党現職がいない選挙区で交渉をしてきたにもかかわらず、代替案として自民党現職がいる東京12区と15区を提示したことは、不誠実で、とても受け入れることはできません。残念ながら、交渉は打ち切ることとし、東京の自公協力を解消することを党として決定しました。