令和三年第2回小金井市議会定例会 一般質問

投票率向上に向けた具体策について 

本市においても、投票率向上と開票速度の改善については、私自身も繰り返し触れてきましたが、過去からの課題となっており、本年3月21日に行われた小金井市議会議員選挙の様子も振り返り、改めて早急な対策が望まれる。

⑴ 期日前投票最終日(土曜日)の複数会場開催について

3月の市議会議員選挙においては、西之台会館が二日間限定ではありますが、期日前投票所として加わり、坂下地域の皆さんにも大変に喜んでいただく事ができた。特に前日の土曜日の期日前投票所が混雑したが、どのように把握されているか問う。

  選挙管理委員会事務局長

期日前投票における投票者数は12,951人。期日前投票の投票率は12.82% (投票者総数 40,606人に対して31.8%)

  • 第1期日前投票所(市役所第二庁舎)6日間 10,109人
  • 第2期日前投票所(マロンホール)2日間 木、金 2,186人
  • 第3期日前投票所(西之台会館)2日間 火、水(今回新設)636人
  • 期日前投票期間の最終日の3月20日は、来場者が3,200人を超え、大変混雑し、お待たせする状況が長く続き、投票にお越しいただきました皆様には、大変ご不便をおかけした。 混雑の原因として、投開票日の天候が悪くなるとの情報があり、期日前投票へ来場した方が増えたことにあったと考えている。

    資料をご覧ください。今回の市議選では投票率こそ若干増えているが、ここ10年で見れば全体的には投票率が大幅に減少傾向であることに対して、期日前投票を見ると、投票率および投票数に対する比率というものは、大きく伸びている。(全国でも同じ傾向)期日前投票所の充実は着実に進めるべきで、特に最終日の市役所第二庁舎の混雑状況を考えると、マロンホールを土曜日まで延長して開くなど、土曜日の会場増をすべきと考えるが如何か。

    選挙管理委員会事務局長

    新設した第3期日前投票所の設置の効果として、坂下地域の投票環境の向上のほか、期日前投票所の混雑の解消の効果を見込んでいた。今回は、投開票日当日の天候不良という突発的要因があり、正確な検証が難しいところだが、市議選での第二・第三期日前投票所の合計投票者数は、期日前投票者数の総数の21.9%を占めていることから、来場者数の分散の点で、一定の効果が発揮されたものと考える。ご提案の最終日の複数会場での実施については、市民の利便の向上の点で有効な策の一つと認識している。現時点は、ツイッター等を活用し、第一期日前投票所の混雑状況をお知らせし、平日の空いた時間帯へのご来場をお願いしてまいりたい。

    総務省の調査資料では、多くの自治体が混雑の要因に、名簿対照や宣誓書の未記入の方への対応に時間を要することを挙げている。本市でも、受付事務の効率化等を軸に、現在の運用の中で改善点がないか、検討したい。

    「平日の空いた時間帯へのご来場をお願いしてまいりたいと考えております。」という事だが、土曜日に複数会場で期日前投票を実施している自治体も多摩26市中なんと16市もある。小金井市で実施できない理由はどこにあるのか。

    選挙管理委員会事務局長

    期日前投票の最終日の複数会場の実施は、市民の利便の向上の点で有効な策の一つと認識しておりますが、限りある人員の中でバランスも必要となる。現在の選挙制度では、あくまで選挙期日(投票日)に投票所において投票することを原則とする選挙当日投票所投票主義を原則としており、投開票日の前日は、選挙期日に向けた準備をぬかりなく行うことが必要で、当日の準備のため多くの人員が稼働している。

    他市では実現できているところである。人員体制を含め、改善を求める。イトーヨーカドーを投票所とすることについて利用について検討状況を確認する。

    選挙管理委員会事務局長

    イトーヨーカドーは武蔵小金井駅周辺という恵まれた立地ですが、第一期日前投票所である第二庁舎と至近距離にあり、現在は対象としていない。期日前投票所に必要な条件として、一定の面積を要すること、投票所としての安全対策、また、商業施設などに設置する場合は、お借りする場所が敷地内で一定独立し、投票にきた方の導線が、店舗の営業の妨げにならないこと、急な選挙の際にも一定の面積を随時ご提供いただけるかが課題となる。今後、どこに期日前投票所を設置するか、武蔵小金井駅周辺の投票環境や、公共施設の状況、新設した第三期日前投票所の活用の状況を踏まえて、検討が必要と考える。

    ⑵ 当日の投票所を選べる「共通投票所」の実施について

    「共通投票所」は、2016年の公職選挙法改正により加えられた、「通学区域など地域ごとの投票所のほかに、駅前や大型商業施設など、だれでも投票可能な共通の投票所を設置できる」される制度です。私はかねてより、高齢化などが進む中で、投票区の区割りが住居と会っていないとか、お出かけのついでに済ませたいなどの要望から、この制度を使って、当日、投票区を意識することなく投票ができた方が、投票率向上につながることからと要望してきた。

    現在の検討状況について確認する。

    選挙管理委員会事務局長

    令和元年の総務省の調査結果では、設置数は全国でも45自治体にとどまった。多くの自治体では、一定の効果は見込みつつ、導入の課題に「ネットワークの構築」「不正投票防止の体制づくり」「費用対効果」を挙げており、本市も、現時点では導入自治体の情報収集に努めてまいりたい。

    多きな課題でもあるが、小金井市の場合は、当日の投票所20か所の内の16会場が市の公共の建物であり、2つは都立学校、残りの2つは私立幼稚園ということで、ネットワークでつなげる事は、ハードルは低いものと考える。更に、政府は本年9月に、国・地方行政のIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を目的とデジタル庁を設置することを決めた。衆議院選挙は、一回の選挙に600億円が費やされていることを考えたら、マイナンバーなどを活用し取り組まれるべき分野だと考えます。今後の状況を見据え、ご検討を重ねていただきたい。

    選挙管理委員会事務局長

    国・東京都の動向に注視しながら、導入自治体の情報収集に努めてまいりたい。

    ⑶ 主権者教育にも繋がる「親子連れ投票キャンペーン」を開催しないか

    2016年の公職選挙法改正では、18歳未満の投票所内への入場も認められた。投票率向上のために、市民の方が「投票済の証明書を見せてくれたら割引します」など工夫を頂いている。家族で投票に行くことが促せたら、投票率向上につながり、早い段階からの主権者教育にもなる。

    市で取り組みができないか。

    選挙管理委員会事務局長

    本市では、入場整理券に同封するお知らせに記載し、周知している。ご提案の「親子連れ投票キャンペーン」については、法改正の認知度の向上が期待できる方策として、ホームページでの周知や親子連れ対象イベントでの周知などを検討して、取り組んでまいりたいと考える

    防災力を向上させるための取組みについて

    コロナ禍に於いても災害は待ってはくれない。防災力をアップさせるための取組みはどのような状況であっても進めるべきです。

    ⑴ 防災士の育成と強化について
     「小金井市防災士会」を結成し地域で防災士を活かさないか

    全国の自治体では地域防災力強化のために、防災士は地域防災力強化に貢献すると認知されており、自治体による地域防災力向上の取り組みの一つとし防災士の育成・強化の取組みが進められている。防災士研修センターのホームページを確認すると、防災士資格取得への助成制度等の実績がある自治体は数多くあり、東京都内でも16自治体の名前が挙げられている。

    目黒区での「地域防災力の向上を目指して 防災士フォローアップ研修講座」なども非常に重要な取り組みだと考える。小金井市でも防災士に、地域防災の力となっていただけるように、フォローアップ講座などを開催して、顔の見える存在として掌握すべき

    防災士は、5月末時点全国で、211,330人。東京都ではその内17,377人。私を含め議場にも数名いますが、小金井市在住の防災士の人数を把握されているのか。

    総務部長

    東日本大震災や熊本地震などで、防災士のリーダシップによって住民の命が助かるなど、避難所開設がスムーズに運んだという事例が多数報告されており、防災力を向上させるための取組の一つとして、様々な地域で防災士の育成・強化が図られておりますことは認識している。小金井市内の防災士の在籍数は、130人。

    地域の自助、共助を高める点において、防災士の力は大変大きいものと認識している。市内に130人いる防災士のなかには、地域に根差して活躍されている方がいる一方で、防災士としての力を発揮できずにいる潜在的な方も市内には一定数いると思われる。そういった方を掘り起こし、地域と結びつけることで地域防災力のより一層の向上に繋がっていくものと考る。

    ご指摘の市内在住防災士の組織化についても一つの方向性と考えられる。今後、市内防災士の個人把握に努めるとともに、また、東京消防庁における災害時支援ボランティア等との活動について把握を行うところから進めてまいりたい。

    ⑵ 小金井市防災計画に防災士の役割を位置づけないか

    活動をする上で、認知されている、位置づけられていることが大切だと考える。さいたま市などでは、地域ごとの「防災アドバイサー」として認定して、活動を後押ししている。また地区防災計画の中で位置づけを明確にしている自治体もある。

    小金井市でも、見直し中の防災計画の中で位置づけを明確にしては如何か。

    総務部長

    地域における防災面、応急・復旧対策の面いずれにおいても、防災士の持つ知識や使命感がその一翼を担えるものと感じる。地域防災計画の修正中で、検討していくべき事項と考る。

    ⑶ 防災行政無線等の個別受信機の配布の検討状況について

    き、情報提供をされたと伺った。安全性や効率性、確実性を考え、個別受信機の配布を提案してきたが、検討状況について確認する。

    総務部長

    様々な方法を駆使しながら、区域内の方に災害情報を伝えることが必要であると考えるところでその手段の一つとして、室内で防災行政無線を始め、緊急地震速報や FM ラジオを聴くことができるジェイコムの防災情報サービス専用端末がある。土砂災害警戒区域内における対応として、端末を配布する方法も一つだが、月額利用料が課題だ。

    「土砂災害警戒区域」限定と考えれば、軒数も限られることから、市から貸与という方法であれば、理解がえられるのではないか。

    総務部長

    端末機を警戒区域内の方へ配布するにあたって貸与も考えられるところだが、情報提供の手段の方法として、そのほかに、防災行政無線を電話で聞くことができる自動音声応答サービスや携帯電話・スマートフォンで災害情報等を受け取ることができる安全安心メールサービスもある。土砂災害警戒区域内にお住まいの方は30数世帯なので、直接電話する等柔軟に対応できるところもあるが、引き続き、災害情報が速やかに市民の元に届くよう努めていく。

    確かに電話やLINEという方法もあるが、その場合、定期的に把握しているお電話番号が繋がるのか、家族構成はどう変化しているか等、常に把握しておく必要がある。

    ⑷ 本町4丁目の国有地など、防災機能を持った公園を増やさないか

    中野区(人口33.4万人、市域面積は15.59平方キロメートル)は、防災マップを15地域に分けた保存版の「地域防災地図(地域版)」というのがありとても分かりやすい。更に、防災公園がいくつも市内にあり、平時には多くの人が集う場としても有効に活用されている。

    小金井市では明確な防災機能をもった市の公園としては、梶野公園だけだが、他の公園についても検討できないか。

    総務部長

    地域防災計画の修正の中で、検討していくべき事項と考える。

    含め未利用地についても検討を頂けないか。

    総務部長

    本町4丁目の国有地については、以前にも国から取得等要望の有無について照会があったが、土地の傾斜や接道の状況等を考慮し、公共施設としての活用は困難であると考え、取得要望はない旨を伝えている。大きな未利用地なので、今後の国からの情報提供等について、注視していく。

    質疑の様子は動画(YouTube)でご覧いただけます。(0h03m05s から再生