もくじ
1. 行政相談の充実について (48:15)
自治体が弁護士や税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士による行政相談を行う意義は、専門的な知識を活かし質の高い相談対応を行っていただける点にあります。専門家の関与・助言は相談の公平性や信頼性を高め、市民の皆さんに安心感を持って頂くことに繋がり、行政相談の体制の強化は、市民サービスの向上と自治体への信頼の向上に繋がります。
「令和6年度専門相談の相談実績」という資料を提出いただきましてありがとうございます。
こちらの資料を見ますと、相談実績も大変に多くのご相談を頂いていることがわかります。相談に当たられている皆様に感謝を申し上げます。


現在の相談状況や課題について
報酬の見直しをしないか
「専門相談に係る謝礼等の支給有無」という資料を提出いただきました。ありがとうございます。
また資料を見ますと、小金井市では法律相談(弁護士)と税務相談(税理士)については謝礼等の支払いがありますが、それ以外の登記等相談(司法書士)、相続等暮らしの書類作成相談(行政書士)、年金・労務等相談(社会保険労務士)には謝礼が支払われていない状況です。
他市の状況も見ることができますが。こちらについても、弁護士、税理士以外の分野においては、バラツキが有ることがわかります。実は、各仕業さんには支部がありまして、その観点から見ますと、小金井市の所属している支部の中では約半分が既に有償になっていることも明確になりました。お隣国分寺市さんはすべてが有償となっています。
有償にするメリットについて2点述べさせていただきます。
- 専門性に対する正当な対価の確保
弁護士、税理士をはじめ、司法書士、行政書士や社労士も、国家資格を持つ専門職であり、相談には高度な法律知識・実務経験が求められます。有償化することで、その知識・スキルに対する正当な評価と報酬を保証でき、専門家のモチベーション維持にもつながります。
- 団体との協力関係の強化
現在も快くご対応頂いておりますが、無償だと団体側も人材派遣を継続しづらい場面も考えられます。有償であれば団体として正式に制度に関与しやすくなるため、安定的な人材確保が可能になり、相談品質の向上への協力体制も整いやすくなものと考えます。
これらにより、他市では相談対応の質や住民満足度が向上したという報告もあります。
既に私の元には団体から要望が届いており、市へ要望するご用意もあると伺っております。もちろん多額の報酬を要求するものではなく、先ほど述べさせていただいた点が大きいと考えます。
他市の状況はご覧頂いた通りであります。各団体からご要望が参りましたら受け止め是非、実現に向けた検討をお願いいたします。
オンラインでのご相談対応について
先ほど課題について感染拡大時の相談の継続という事も言われておりましたが、オンライン相談を導入(ハイブリッド)することには、行政サービスの利便性や公平性を高める上で多くのメリットがあると考えます。
- 住民の利便性向上
自宅や職場から相談可能なため、子育て中・高齢者・障がいのある方、遠方に行かれている方でも気軽に利用できる。移動時間や交通費の負担がなく、スキマ時間に相談ができる。
- 相談員の負担軽減と効率化
対面に比べて場所の制約がないため、相談員の確保がしやすくなる。複数の相談員がリモートで対応できる体制を構築しやすくなる。
- 感染症・災害時にも対応可能
新型コロナウイルスのような感染症や大雨・地震等の自然災害が発生しても、継続的に相談業務を維持できる。行政サービスの継続性(BCP)の強化につながる。
- 記録・情報共有が容易
オンライン会議システムなどを通じて録音・録画、チャット記録などを残すことができ、相談内容の正確な把握・検証が可能になる。
広報を行うべき
広報が、市報など従来型の手法に偏りがちで、若年層や共働き世帯、外国人住民に届きにくい現状があると考えます。
SNSや、ホームページなども活用し、「誰でも無料で相談できます」など、心理的ハードルが下がる広報を広く行っていく必要があります。
2. 学校を取り巻く課題について (1:04:19)
施設の老朽化や児童生徒数の推移、国や東京都の動きにも合わせて、小中学校の抱える多くの課題を、ひとつずつ解決をしながら、より一層の学校教育の充実を図る必要があります。
学校トイレの臭気問題の解決を
市としてもトイレの洋式化は令和2年には38.4%と、東京都内62区市町村ワーストだったところご努力を頂き、昨年度末には80%を超えるまでになりました。しかし、臭気については治まらず、定期清掃の回数や清掃方法などを調整を頂いたり、昨年は教育長や学校教育部長、課長に現地に出向いて高圧洗浄機による清掃を実施して頂くなど、工夫をして取組んで来ていただきました。ありがとうございます。その中で、一定の効果はございましたが、依然として抜本的な改善には至っていないのが現場の状況であります。
私の元にもたくさんのお声をいただきますが、直近では第三小学校の保護者から、「給食中にトイレの臭いが漂ってきて、子どもが食事をおいしく感じられない」という声が寄せられました。これは単なる「臭いが不快に感じる」という問題にとどまらず、食育や子どもの健康、学校生活全体に関わる重大な課題であり、あらためてこの課題に終止符を打つべく質問をさせて頂くものです。
「学校給食衛生管理基準」などに目を通しても、食べる環境についての基準は中々見つけられませんでした。しかし、臭気に対する数値的な規制こそ示されていないものの、給食環境における悪臭が、衛生的にも心理的にも健全な環境でないことは言うまでもありません。
私は保護者のお話を聞いた、5月12日学校にアポを入れ校長先生と特に課題となっている西校舎のトイレを視察させていただきました。2階も臭かったですが、まだ良くある臭さではありました。しかし、1階の男子トイレの臭いは相当きついものが有りました。トイレの窓を開けた状態で、廊下を挟んだ2年2組の教室に入り、机に座ったところ、そこにも大変強い臭気が漂っており、「給食時の様子」を想像することは容易でした。それから、臭いを測定しようと臭気カウンターを庁内で探していた所、教育委員会で学校へ行っていただいたと伺いました。早速、ありがとうございます。
4.3という数値はかなり強い臭気を意味しております。
臭い自体が直接的な健康被害を及ぼすことは少ないですが、長時間その環境に居ることでストレスや頭痛、吐き気、不眠などの症状を引き起こす可能性があります。また、衛生面のリスクも考慮すべきですし、嗅覚は味覚とも密接に関係するため、子どもたちの食欲を減退させる恐れが十分に考えられます。
今までの対応から大きく前進するご答弁を頂くことができました。是非、効果の出る対策になることを願っております。
グラウンドの水はけ問題について
グラウンドの水はけ問題についても長年の課題です。緑小などもかなり大変です。体育の授業への影響は勿論の事、滑りやすくなることでの転倒・けがのリスクも高まります。学校によっても差が大きいようですので、状況をしっかり把握し、適切な対応を求めるものです。
ご存じの通り、5月17日に予定されていた緑小学校の体育科発表会は降水量も少なく翌日に延伸して無事に開催ができました。5月31日に運動会を予定していた学校は4校ございまして、東小学校は翌6月1日に開催。第一中学校と緑中学校は、一度6月3日に延伸しましたが、再び雨となり昨日4日に開催いたしました。第二中学校は、本日5日と6日に学年別で開催という事です。
様々悩みながらのご決断にまずは、敬意を表すものです。
昨日開催された、一中と緑中の運動会ですが天気にも恵まれ、再延伸にも関わらず多くの保護者に見守られ大変に白熱した素晴らしいものでした。実は、その裏には大変なご努力が有ったそうです、一中は比較的水はけも良いものの、一部ぬかるみが残り立入禁止区域を作り生徒の安全を守っておられました。緑中も伺ったところ朝から先生たちが大奮闘されなんとか開催にこぎつけたと伺いました。土壌の水はけの課題に加え、雨水桝が埋まってうまく機能していない事も原因の様です。
気象庁のホームページで近隣の府中市における過去の雨量を見ることができました。
延伸で開催を予定していた、6月3日は1日に 28mmの雨が降りました。
昨年 2024 6月から8月の20mm以上の雨は 11日有ります。 更に、6月18 日は86mm , 6月28日は 78.5mm, 8月30日は 145mm。も降っています。
これからが雨本番と言ったところですので対応が必要だと考えます。例えば以下の様な対応が考えられるのではないでしょうか。
- 透水性の高い素材に地面を改良する
- 暗渠排水(あんきょはいすい)システムの導入
※ 暗渠を設けて、土中の余分な水を排水すること。 - 賛否はありますが、校庭の人工芝化・ウレタン舗装
本日ご質問の通り、他にも課題が多くあると考えますが、是非できることから検討いただければ幸いです。
小1の壁(朝の校庭解放)の検討をしないか
保育園から小学校へ進学をきっかけに、登校前と放課後、子どもの居場所に困ってしまう。そんな状況に直面し、仕事と子育ての両立が困難になるのが「小1の壁」です。社会の変化に対応した取り組みが求められます。今では親の出勤などに合わせて家をでて、学校の入口前で列をなして待っている姿も見られます。
第三小学校PTAさんでは学校の協力を得て、2月に平日9日間 7:30から8時迄の30分間、「朝の校庭開放」を試行実施されました。子細な報告書が三小PTAのホームページに掲載されていましたので、一部ご紹介させて頂きます。
●20~30人/日を予測していたが、想定以上の参加者があった。
●情報共有用のオープンチャットには、121人が登録
●参加人数数は、のべ537人 平均60人
●1年生が22%, 2年生が44%, 3年生が23.5%で大多数を締めます。
●お子さんが登校する時間に、誰もいない(一緒に出る)17.6%
●学校に行くのが楽しみになった 47%
●次回も参加したいが98.5% と参加者からは大好評。
●ボールを使いたい、雨の日は体育館が使いたい、PTAの負担が心配
●保護者と地域の方で20人が見守りサポーターとして登録。毎日10人前後がお手伝い
●見守りサポータさんからは事業化してほしい 57%
既に、課長にも共有させて頂いております。
国のこども家庭庁は昨年、全国の市区町村に対して、子どもの朝の居場所に関する調査を行い、5月9日にその結果が公表されました。国は、調査結果に基づき適切な支援につなげる必要があるとして、全国の自治体にニーズの把握、実情に応じた対策の推進するよう通知を出すような報道がありました。
全国で3%という事ではありますが、都内や近隣市でも取り組みは始まっております。
豊島区では、本年4月から、区立小学校全22校で朝と帰宅時の見守りサービスを本格実施しています。朝は、午前7時45分から登校時間まで学校の室内で過ごすことができ、学校用務員が見守る中、児童は読書などをして過ごしているとのことです。
また、品川区でも5月26日から区立小学校の一部でも取り組みが開始。委託したシルバー人材センターのスタッフが見守る中、多目的室で、読書や自習などをして過ごしており、秋までの全校展開や、希望者へ無償でパンやおにぎりなどの朝食の提供も予定しているとのこと。
子ども家庭部というのは、児童館を所管する児童青少年課ですよね。それから、放課後こどもを所管する教育委員会生涯学習課。
昨年度、朝の居場所づくり活動に対して、放課後子ども事業補助金の活用が可能である旨通知があったと考える。
放課後子どもや学童との関係の整理も必要になります。もちろん定時出勤の見直しなど企業側での努力も必要だと考えます。まずは、所管を整理して早急にニーズ把握を開始していただき、様々な先行事例を参考に小金井市に合った形での対応を進めていただきたいと要望致します。
35人学級への検討取組みについて
「35人学級」については、公立小学校の全学年で本年度(2025年度)まで5年かけて段階的に進められてきました。更に政府は、2021年6月に閣議決定した「骨太の方針」で、35人学級化による教育効果などを分析・検証した上で、中学校を含めた望ましい指導体制を検討するとしていました。
5月9日の衆院文部科学委員会で、公明党の浮嶋智子議員の質問に対し石破首相は、中学校における「35人学級」の実現に向けた定数改善について「公明党の提言も踏まえ、財源確保と合わせて2026年度から行う」と表明されました。
小金井市では、小金井市では本年度で9校すべての小学校の全学年が35人学級となっており、中学校1年生は中1ギャップ加配の制度活用により既に実現しているということであります。という事で、中2,中3への対応が問われるところです。
少人数学級の実現により、きめ細かな指導が可能になるほか、学校全体の教職員数が増えることによる学校のマネジメント機能強化にもつながります。一方で、その実現については様々な課題もございます。
- 教室・校舎の物理的制約
- 教員数の確保と質の担保
- 人的・財政的コスト
- 学校現場の運営体制
今後、国からの正式な通達や経過措置などを見ながらという事になると思いますが、丁寧かつ確実に進めていただきたいと思います。今日はここまでといたします。
各学校の災害時のマニュアル整備について(トイレ対応)
令和6年度予算特別委員会(2024-03-14)で私から、授業中に災害が発災して、生徒たちが帰れない状況になったときに、水道がでないとか下水管の方が破損したとか、学校のトイレが使えなくなった場合、マンホールトイレの設置など、段階に応じた先生方がトイレ対策ができるマニュアルなどを用意されているのか、確認をいたしました。
指導室長のご答弁は、現時点でマニュアルのようなものを備えているといったことはないかなと思います。という内容でありました。
学校の老朽化も進んでおります。避難所開設にまでは至らない状況下で、学校のトイレが大規模に使用不可能となったような場合の対応について伺っておりますので、その点で再度ご答弁をお願いいたします。
市役所職員及び地域の方々と連携ということです。マンホールトイレに限らず、簡易トイレであっても、どこに設置をするのか、使用済みの物をどうするのか決めておく必要があります。またそれ以前に、下水が破損した場合には、全てのトイレを一度使用不可にする運用が適切です。是非そのあたりも含め、地域安全課などのお知恵もお借りしながら、いざという時に慌てない準備をしていただければとお願いいたします。
