議会運営委員会行政視察報告(2023.10.18-10.19)

議会運営委員会視察を終えましたのでその概要をご報告いたします。

視察先福島県滝沢市
視察日:2023.10.18
テーマ:議員間討議/市民参加(議会モニター・議会サポーター・議会アドバイサー)について

お忙しい所、議長はじめ4名の議員にご同席を頂き、主説明は小田島清美 議会運営委員長(公明党)に行っていただきました。滝沢市議会は平成26年1月に施行された議会基本条例制定を機に多くの取組をスタートされています。今回はその中でも大きく2テーマについて視察をさせていただきました。

議員間討議 (合意形成)について

市民目線で統合度が高い意思決定が重要であるとの観点から合意形成(論点の整理 ・課題の発見)を行うための議員間討議を実施されています。予算決算常任委員会で、更に議論が必要なものについて、ワールドカフェ方式で議員間討議を行い付帯決議の提出をされているとのこと。ファシリテーターの役割の重要性についてもご説明がありました。

小金井市議会では委員会で全ての陳情・請願・議案の質疑後の採決前に、一旦休憩をとって採決実施の確認のための協議の時間がありますが、滝沢市さんのような合意形成を行い付帯決議を練り上げるような時間にはなっておりませんので、様々な想定されるケースについて追加質問をさせていただきましたが、とても参考になりました。

別の議会では、決算審査を常任委員会毎に振り分けて実施し、各委員会で審査後に意見要望を取りまとめているとこともあります。議会や委員会として、合意形成を行い、市長へ要望を届ける事は大変に有効な手段であると考えますので、このような事も含めて引き続き模索して参りたいと思います。

市民参加(側面支援)について

議会モニター
議長が依頼した市議会の運営に関する調査事項に回答する議会モニターについては、現在6名の方がご活躍されているとのこと。ご意見は 随時 受け付けていますが 、主には定例会ごとに広報誌を読んでご意見を頂く方式で、その内容は議会運営委員会で取り扱われ、 協議した結果は全議員への共有および広報されているそうです。大変に興味深い取り組みでありますが、担い手不足など課題もお話いただけました。


議会サポーター
議会への市民参加を促進するためのもので、議事録の作成支援、議会だよりの作成支援、議会報告会や市民懇談会の企画準備、運営補助等議会運営に関する事務や広聴広報活動に関する業務の支援等を行い、議会や議員の側面支援を通じ、市政の健全な発展を支える役割を無償で担って頂くものです。

小金井市議会では、議会だよりの議員発言部分の記事(8面含む)は議員が作成していますが、その他大部分は議会事務局の方が作成されています。このような部分を担って頂くことで、議会により親しんで頂くことは勿論、新たな紙面構成の視点も加わるなど、小金井市議会でも導入の可能性を感じます。


議会アドバイザー
議会の活動について委託として直接的にアドバイスをする役割で、現在アドバイザーは3人(法自治のスペシャリスト2名と、元議会事務局長)様々な場面での研修や、定例会後に一般質問 へのアドバイスなどを具体的に頂いているとのこと。大変に有意義な制度であると感じました。協定を結んでいる学芸大学との繋がりも生かしながら検討ができればと思う。

昼食は、岩手県滝沢市にある交流拠点複合施設「ビッグルーフ滝沢」内の「たきざわキッチン」で地産米を使ったオムカレーを頂きました。

視察先福島県北上市
視察日:2023.10.19
テーマ:政策提言/タブレット端末の活用について

小金井市と岩手県北上市との関係は、今から100年前の大正9年に北上市の展勝地の造園事業に伴い、小金井のヤマザクラが植樹され、翌大正10年に和賀展勝地の名で開園したことから始まります。平成24年には、本市と北上市とで災害時相互応援に関する協定書が締結されるなど、サクラが取り持つ縁から相互に協力関係にあります。(小金井市公式HPより)

政策提言について

基本計画を議決事項 とし、平成29年 から政策提言を実施されている(常任委員会ごとに2年で1回)テーマは 委員長や委員が提案し合意形成の上で決められている。検討にあたっては有識者を参考人としてお呼びして有意義な提言が作成されている。※中継は本会議のみ。

今後に向けての展望などを伺ったところ、予算要望の時期に間に合うように取り纏められないか、また提言に対して市長側からの回答得るなどして、委員会としてその後どうなったのか追っていけるようにするなど、政策サイクル を検討中とのこと。大変に参考にしたい取組みであった。

タブレット端末の活用について

平成24年に検討を開始され、平成29年3月に予算成立し、11月から運用開始。平成30年2月には紙媒体との併用を終了(日程 、予算決算、人事は例外、予算決算書なども配っている)本格運用に移行されている。

システムはiPadProとSideBooks、Google Workspace を採用。

導入効果としては、議員への連絡・会議資料の共有の迅速化、会議の効率化・活性化、BCPへの活用を挙げられていた。特に事務局メリットとしては、紙にまつわる負担が減ることによる負担の大幅軽減、意見とりまとめなどのスピードアップ、オンライン会議などによる打ち合わせの効率化などが挙げられていた。研修やサポートについては、議会事務局が丁寧に行っていただいているとのこと。※傍聴席に委員会資料は配っていない。

小金井市議会では現在、議会運営委員会(PT)で要件定義を行い、来年度予算編成に対して、全会派一致で予算要望をしております。このようなタイムリーな状況下で、長年使用実績がある皆様のお話を伺えたことはとてもありがたかったです。スムーズな導入により、最大の効果を出せるよう第二期PTで更に議論を積み上げて参りたいと思います。

昼食は北上駅ナカのそば処最上さんでご当地釜石ラーメンを頂き、新幹線にて帰路につきました。