令和三年第4回小金井市議会定例会 一般質問

本にもっと親しめるまちにするために

図書館に対する市民の皆さんのご期待は非常に大きい。図書館施設の具体的な検討が進まないが、サービスの充実を更に図っていただきたい。

ア)図書の貸出し期間、貸出し冊数は適切か

資料「多摩26市 市立図書館図書貸出状況一覧」を提出いただいた。

資料解説

貸出冊数】10~15冊が18市。20冊が2市。30冊が2市。45冊が1市。小金井市を含む無制限が3市。【貸出期間】14日が20市。15日が2市。21日が小金井市を含む4市。

小金井市図書館は他市に比べて、特に貸出しについて緩やかなルールだが市の見解は

昭和62年図書館システム導入時は、貸出冊数6冊、貸出期間を3週間だった。その後、平成2年度に、冊数制限を撤廃した。予約した図書が「なかなか順番が回ってこない」などのご意見をいただいていることも認識している。

私にも、市民の方から「新刊をはじめ、多くの方に平等に本に触れる機会を提供できる様、貸出期間や貸出数を、他市をならって見直しをしてほしい」とのお声をいただいています。再度検討をお願いする

予約が多数入る図書は複本を揃えるなどの配慮はしている。 図書の貸出期間・貸出冊数は、予約サービス、電子図書、CD の貸出、督促業務等々とも密接に関わってくるので、この場でのご答弁は難しいが、今後、図書館システムの更新時期に向けて、市民のご要望に答えられるように、検討を深めて参りたい

貸出し期間については、次の借り手がいなければ続けて借りられるのか?行っていれば、尚更、貸出期間の見直し検討を進めていただきたい。

再貸出しを行っている。

イ)小金井市図書館所蔵以外の本のオンライン予約を行わないか

図書館所蔵以外の本の予約について

電話予約】無し8市。小金井市を含む有りが18市。
オンライン予約】小金井市を含む無しが19市。有りが7市

小金井市図書館所蔵以外の本についても、予約をすることで貸出しを受ける事ができる。 小金井市ではご来館いただく以外に、電話での予約も可能となっているということですが、利用者のメリットも大きいオンラインでの予約が、なぜ未実施なのか

実施している自治体があることは認識している。検討したこともあるが、 未所蔵本予約は所蔵本と違って「本を確定する」作業が必要で、後日、メールや電話で利用者の方に確認をすることになるなど課題もある。実施自治体の状況などを参考にして研究して参りたい

ウ)全小中学生に「こがねい電子図書館」利用カードを配布しないか

立川市では、小中学校で一人一台配布しているタブレットPCから「たちかわ電子図書館」にアクセスし、読書や調べもの学習等に利用することができるように、電子図書館専用カードを配布した。

学校のタブレットPCで、朝読書や調べもの学習などを含めて「こがねい電子図書館」を活用することについて、指導室の見解は

端末を用いた電子図書の活用については、その可能性が広がっていると言える。電子図書を活用することができれば、学校の図書室の蔵書以外の本についても、児童・生徒が手軽に利用することができ、読書の幅が広がることが期待できる。一方で、端末の画面を見る時間が長時間に及ぶことが想定され、健康への影響が懸念される。導入に当たっては、メリット、デメリットを慎重に検討する必要がある

教育委員会も一定のメリットを感じている。小金井市でも利用カードを配布しないか

児童用の電子書籍は、約450コンテンツ有ります。児童生徒の利用拡充を進めていくためには、コンテンツの品揃えが不十分ということもあり、予定はしていない

しかしながら、こがねい電子図書館内にログインなしで誰でも読むことができる「小金井市資料」も開設した。徐々にコンテンツ数を増やし、調べ学習などにも役立てていただきたいと考えている。

エ)公立小中学校の図書館を一般に開放しないか

他自治体の例

練馬区 学校開放図書館
学校が休みの週末や長期休暇時は朝9時から17時(冬季は16時)
中学生や大学生も学習席で勉強が可能。
中野区 地域開放型 学校図書館
学校内の図書館の隣の教室とつなげて区立図書館分館を併設したスタイル。
区立図書館部分は平日も利用可能。
千代田区 昌平まちかど図書館
昌平童夢館(しょうへいどうむぷらざ)内に図書館、小学校、学童、保育園、幼稚園が併設。

既に施設白書でも指摘されているように、いわゆる図書館不便地域が小金井市にはある。すぐに施設が増設できない場合、各地域にバランスよく存在する小中学校の図書館を、他自治体を参考に地域に開放できないか。

学校の図書室を地域に開放することは、学校と地域との接点が増えることでもあり、コミュニティ・スクールの充実につながることも期待される。一方、学校の図書室は、外から直接入ることが難しいため、利用者が校舎内を通らざるを得ず、土・日などに開放する場合は、管理上の課題が生じるものと考える。実施する場合には、課題の洗い出しを学校も交えて行う必要がある

オ ) 今後の施設方針について

図書館の施設更新について市の考え方

公共施設等総合管理計画(H29.3)】「市民サービスの向上及び財政負担を軽減する観点から、他の施設との複合化等も視野にいれた検討を行います」
小金井市図書館運営方針(改訂版)(H30.11)】「図書館に必要な施設規模についてー算定に基づく規模」小金井市図書館の合計床面積は3,185㎡に対して、目標基準などとの比較では、2,076㎡~4,213㎡不足している。(貫井北分室(約700㎡)の3倍に値する)
社会教育関係施設個別施設計画(R3.3)】R12までのロードマップ「当面は施設の長寿命化を目指します。、、検討に際しては、市民や関係各所からの幅広い意見をいただきつつ、市の公共施設全体で集約や再編といった可能性も踏まえ、検討していく必要があります」

今定例会にも第一小学校増改築等基本計画策定事業の債務負担行為が提案されたが、複合化を検討するのであれば、足並みを揃えて検討をする必要がある。今後の複合化を含めた具体的な検討は。

図書館では本年度、図書館運営方針の後継計画として、図書館運営全般についての考え方、施策、事業、推進体制等を示すための計画を策定中。計画のなかでは、図書館施設の更新について「公共施設総合管理計画」のもと、昨年度策定の「社会教育関係施設個別施設計画」で示された図書館施設の改修等に関するロードマップに沿って検討を行い、また緊急性の高い箇所には然るべき対策等を進めて行く予定。しかしながら、図書館の更新に向けての検討も重ねていくことが重要だと認識している。今後、図書館施設の大規模改修、改築等を検討する際には、多機能・複合化の総合管理計画に定める基本的な方針等を基に、関係課と連携を図りながら、施設の在り方を総合的に検討して参りたい

スポーツ振興について

東京オリンピック・パラリンピック2020」を終えた。アスリートやボランティアをはじめ携わられた全ての皆様に、改めて感謝を申し上げます。

そして今、そのレガシーをどのように繋いでいくのかが行政にも問われている。その一つとして年齢を問わずスポーツ人口を増やすことで、心身を鍛え、健康も維持できる取り組みが必要である。

ア)高架下を活用したスポーツ・レクリエーション施設を整備しないか

スポーツ施設の要望を頻繁に頂く、他市でも事例があるように、高架下を活用したスポーツ・レクリエーション施設を整備できないか。

小金井市内の駅部分を除く高架部分は、

  • 橋脚と橋脚の間隔は東西が約14m、南北は高架の幅が約10m。実質、使用できる敷地面積は約112m。高さは地上からレールまでが約5m~8m。高架の保守点検の都合上、施設の建築可能な高さは更に約2メートル低くなる。
  • 従って、建物(棟)の東西の全長は約11.5m、南北の奥行きは約7.4m。建物の高さ3.6m、室内の高さ2.5m。面積は約85㎡。
  • 総合体育館の柔道場が約161㎡(98畳)の半分の面積になる。

以上のことから、費用対効果の観点も含め、市内の高架下は、スポーツ施設を建設するのは難しい

施設としての整備では十分な面積が得られないという事であれば、野外施設はできないか

市内の高架下で確保できる長方形のスペースは東西約14m、南北約8m、面積は約112㎡。バスケットボールのハーフコート(210㎡)の半分にも満たないことから難しいと考える。

「東京オリンピック・パラリンピック2020」のレガシーをどのように繋いでいくのかが問われているが、施設整備も含めスポーツ振興をもっと積極的に進めるべきではないか。

スポーツを通じた健康づくり(ラジオ体操プロジェクト)、パラスポーツの推進、ボランティアとの活動、教育を通じたオリンピックに関する学習など、これらの取組を今後に活かしていくことだと考える。

スポーツ施設の整備ももちろん重要であり、公共施設等総合管理計画やスポーツ推進計画にもあるとおり、本市のスポーツ施設に加え、民間や大学における類似施設、学校の一般開放の実態等を踏まえて、市域における最適なスポーツ施設の配置やサービス内容について費用対効果も含めた検証・検討を行う。

この機運と経験を消さず、さらなる市のスポーツの発展を図るため、今年度、教育委員会ではスポーツ推進審議会を設置する予定。今後はこの審議会において、スポーツ施設を含む様々なスポーツの振興に関することが協議され、さらなる市のスポーツ推進が図られていくものと考える。

イ)部活動改革の今後の取組について

部活動指導員については私も平成29年度から取り組んで来た課題でもある。

教員の負担軽減の点からも、部活動を従来のスタイルで運営していくことが困難になっている。そのような中で、地域と連携をした部活動の推進が模索されています。小金井市の検討状況などについて伺う。

文部科学省では学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について、令和5年度からの全国展開を目途に現在、指導体制をはじめ、活動時間の適正化や地方大会の在り方の整理など多面的に研究を進めている。また、東京都においても自治体を指定して研究を行っており、令和4年度中を目途に提言がまとめられる

小金井市としては、地域との連携において、コミュニティ・スクールの指定を加速させることで、学校運営協議会と地域学校協働活動が学校とともにこの課題について共に考えていくことができる体制づくりを支援していく予定。 そのような体制づくりを進めつつ、国や東京都からの提言も踏まえて新たな部活動のスタイルを築いて参りたい。  

文部科学省は「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」で、部活動の意義として「人間形成の機会」や「多様な生徒が活躍できる場」ということをあげている。競技としての専門性を高める場が地域にあることも望ましいが、学校における部活動については、この意義を重視したものにしていくことが何より重要かと考えるが如何か。

部活動は、あくまで教育活動の一環であり、学校の教育目標を達成するための活動。これからの部活動の在り方としては、紹介の通り「人間形成の機会」や「多様な生徒が活躍できる場」として活動を進めることがより重視されるべきであると考える。

学校の働き方改革の問題は喫緊の課題である。仮に、地域で指導に意欲のある団体や人材がいて、学校側としても生徒の実態や施設面の状況など総合的に考えて、お願いしたいと判断した場合、現状では具体的にどのような対応になるか。

第一に考えられるのは部活動指導員又は外部指導員として指導に当たっていただくことが考えられるが、予算の関係上、人数や時間数に上限がある。学校において調整を行うことが必要。指導員の人数や時間数に関しては、学校からの要望等も踏まえながら見極めていく必要がある。

具体的な話が、地域で上がってくれば是非、当初予算の中で是非反映をご検討いただきたい。

学校の部活動ということに対して、今後、我々も保護者も意識改革をしていく必要があると考える。つまり地域との連携は欠かせない要素かと思いますが、それは部活指導員や外部指導員として部活を支えることだけを指しているのではないと考える。競技としてのスポーツ活動は地域のスポーツクラブへという流れが顕著になってくるのではないか。学校の部活では地方大会の在り方(参加大会の選択や、地域スポーツクラブの大会参加など)も合わせて見直されている。

複数の学校から生徒が集まって活動する地域のスポーツクラブが今後新たに検討され、学校施設の利用についてご依頼があった場合の対応は、現在小学校の野球やサッカーなどと同じ対応ということで宜しいか。

地域のスポーツクラブということであれば、現状では学校施設の目的外利用として申請していただくことになる。いずれにしても学校に利用状況などを確認していただく必要がある。

是非、柔軟な対応を教育委員会からもバックアップいただきたい

また、今後の部活動を含めた地域スポーツの在り方に関する検討も、スポーツ推進審議会で大いに検討頂き、できればその中心となる組織の構築を要望する

民生委員・児童委員の負担軽減について

民生児童委員さんに期待される役目が多くなる一方で、担い手不足の課題が解消されていない。またコロナ禍、活動も制限される状況でもあるが、今後を見据えた対策が望まれる。

平成26年にも同じ切り口で質問をしている。

ア)充足状況と募集の課題について

2019年に厚生労働委員会調査室が出されたレポート「民生委員制度の現状及び今後の課題」によると様々な指摘がされている。

民生委員制度の現状及び今後の課題
  • 低所得のひとり親家庭も増えている。
  • 戸別訪問活動や、福祉サービスの利用支援を担う民生委員の存在意義は高まっているが、その基盤はむしろ弱まっている。
  • 委員の高齢化が心配される。その背景には雇用延長や、共働き世帯の増加で時間の都合がつきやすい専業主婦が減った要因も大きい。
  • 業務のオンライン化に取り組む自治体もでてきた。
    (石川県野々市市は年内に、すべての民生委員にタブレット端末を貸与する方針。)
  • 見守りにAIを導入して負担軽減をしているケースもある。
小金井市の充足状況と募集の課題について伺います。

本市では、民生委員・児童委員の担当地区を78の地区に分けており、また、児童福祉に関する事項を専門に担当する主任児童委員6人を設置し、計84人が定数となっている。令和3年12月1日現在、主任児童委員を含む84人の定数に対し、71人となっており、充足率は84.5%、欠員地区は13となっておいる。民生委員の欠員による空白地区の存在については大きな課題として市としても認識している。

多摩各市では、比較は難しいが、充足率100%の市は3市で、平均充足率は約90%

民生委員・児童委員は、生活困窮者、高齢者、心身障害者、児童、母子など援助を必要とする人の相談・指導・助言などの活動を行っており、これらはどれも重大な個人情報等を扱いますので、公募による募集は難しい。したがって、候補者、適任者を探す際には、地域をよくご存じの現職の民生委員・児童委員やOB等の紹介をもとに行っている。適任者がいらっしゃっても育児や介護あるいはお仕事等家庭の事情等、また、活動が休日、年末年始や昼夜を問わないことから、同居のご家族の理解を得ることも必要となるため、お受けいただけない場合も多い。

イ)役割の一部を委託して、負担を軽減することで空白地区を無くせないか

現職や町会・自治会などからの推薦というのが現実的であることは理解する。 仕事を明確化して他にお願いして負担を軽減することができないか。

業務負担の軽減も民生委員をお願いする上で一つの要素である。ただし、重大な個人情報等を扱うので、活動自体を委託することは難しい。しかし、多様な日々の活動の中で、業務軽減につながることについては、できることは対応していきたいと考える。

地域の実情に合わせて地域を分けて作業負担を軽減することも考えられないか

都に確認したところ、都の条例に各区市町村の定数が規定されているため可能。しかし細分化することにより、さらに欠員が増えてしまうことが想定されるため、先ずは現状の定数の充足に努めたい