西岡真一郎市長の辞職が同意されました

公立保育園廃園条例の専決処分の不承認を受け決断

西岡真一郎小金井市長は10月7日の定例会最終日20:35、議長に対して10月14日をもって辞職したい旨の 退職申出書を提出。後の本会議にて、本件に関する同意議案が上程され全会一致で同意されました。

9月29日。西岡市長が上程中の市立保育園5園のうち2園を段階的に廃園する改正条例「来年度の募集開始時期に間に合わない」「市として1年以上かけて説明を尽くしてきた」との理由により地方自治法179条に定められた市長の権限で専決処分(市議会の議決を経ずに決めた)したことについて、市議会が紛糾。決算特別委員会を中断し三日間に及ぶ全員協議会が開催されました。

10月7日の最終本会議で、与党会派を含む、反対多数(反対20、賛成2)で専決処分を不承認とした結果を受け、同日、辞職することを決断されたものです。
(専決した条例は既に公布されており効力が取り消されるものではありません)

【賛成2】

みらい(村山)、市民会議(斉藤)

【反対20】

自民信頼(五十嵐、遠藤、清水、吹春、河野)、公明(宮下、渡辺ふ、小林)、みらい(岸田、沖浦)、子ども(片山、渡辺大、古畑、高木)、共産(森戸、水上、たゆ)、つながる(坂井)、こがおも(水谷)、ネット(安田)

小金井市議会公明党(以下、公明党)としては、公立保育園の適正化については25年前からの課題であり、子どもの安全や持続可能な事業を考えたとき、推進する立場ではありました。また今回の議案は期限があるものとし、結論はともかく今定例会中の議決を強く求めて参りました。

しかし、所管の厚生文教委員会では動議が出され、多数決で参考人招致が決まり継続が決まっておりました。(専決によって参考人招致は一旦事実上白紙に)

この様な状況において、あらゆる方策を熟慮せず、庁議での理事者や幹部職員の多くの助言(法的問題や、今後の議会対応への懸念)を振り切って判断した、今回の西岡市長の専決処分は適応用件を満たしているとは言い難く二元代表制の下では許しがたいものであり公明党も不承認の態度表明をしました。(地方自治の専門家からも厳しい反応)

書籍「議会運営の実際」には
「議会が議決すべき事件を議決しないとき」として「例えば長と議会がとかく対立している場合が多いものですから引延しか真剣な審議かの認定をめぐって争いを生じないよう十分調整する必要があります。」とあります。

委員会での判断が出た後、十分な調整・議論・相談がされたのか、尽くせる手はこれ以上本当に無かったのか

なぜここまでの決意があるのなら6月の定例会で上程できなかったのか

このあと、遅くとも11月27日まで(辞職より50日以内)には市長選挙と、既に共産党市議が辞職している1議席を巡って市議会議員の補欠選挙がおこなわれる予定です。

地方自治法 第179条 専決処分(せんけつしょぶん)
  1. 普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。ただし、第162条の規定による副知事又は副市町村長の選任の同意及び第252条の20の2第4項の規定による第252条の19第1項に規定する指定都市の総合区長の選任の同意については、この限りでない。
  2. 議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
  3. 前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
  4. 前項の場合において、条例の制定若しくは改廃又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。
「議会において議決すべき事件を議決しないとき」とは

議会が故意に議事引延しをはかり審議している場合
②議会が真剣に審議しているが、なお疑義を解明する事項が多い場合
③議会は審議をしたいが天災等により本会議、委員会を開くことが困難となっている場合等議決に至らない状態を指します。

庁議で出された意見

9月28日の本会議終了後、市長は専決処分を決断。緊急の庁議を開き、大多数の出席者(部長職者等)から意見がありました。

「議案が継続審査とされたことを理由とした専決処分の事例等はあるのか」、「地方自治法の『議会が議決しないとき』に該当するということで法定に問題はないのか」、「議会の方で『厚生文教委員会で継続』という判断をした段階で専決することに問題はないのか」、「専決は大きな事件となり、様々な大きな意見・声が上がるのは明らかである。そういったところで、会期が残る中、混乱が必至であるので、今後どのように信頼関係という点で、今後調整等大きな影響が懸念される中、どういった形で考えているのか」、「もう1年ぐらい延ばすのは」、「スケジュール的な見直しは」

これに対して市長は「市長の責任で判断することになる」「庁議での指摘は大変重いものと思う」「残された道はこれしかない」と締めくくられている。

理事者から出された意見

「あまり例のないことなので、要件に該当しているのかという議論が出てくる可能性があるのではないか」「今後の議会との関係性をどうしていくのか」「最終的には市長の判断を支えていきたい」