厚生文教委員会行政視察報告 (2016.07.13-07.14)

一日目

念願でありました、以前NHK等でも紹介をされ、国のモデル事業にもなっている豊中市のコミュニティーソーシャルワーカーについて、まさに第一人者でもある勝部麗子さんのお話を中心にうかがいました。

本市同様に、地域住人の流動率やマンション化による地域交流の希薄化が問題視される中で、2000年の社会福祉法改正に伴い、地域福祉支援計画策定の義務付け、社会福祉協議会のあり方を問うてゆく中で、現在の取り組みがスタートをしています。「豊中市ライフセーフティネット」という考え方の中で、地域の問題は地域で解決との理念から、小学校区ごとの「小地域福祉ネットワーク活動」や市域36か所に「地域なんでも相談所」というものが設置され住民ボランティアの方を中心に運営がされています。様々な活動の中心にあるのが、「知育福祉ネットワーク会議」でそれらを主催、バックアップ、計画、もちろん直接相談もうけているのがCSW(コミュニティーソーシャルワーカー)です。豊中市では、小中学生向けには「福祉教育」ではなく「福祉共育」として行い小さなころから意識を醸成されているのもみんなで地域で解決してこうというお考えの特徴の一つです。

  • 所感

面積・人口ともに小金井市の3倍にあたる豊中市で本事業がどのように立ち上がり、運用されているのか大変に興味がありました。限られた人数で、困っている人を探しだし、非常に多様な支援を情熱を持ってきめ細かく行っており、どのように踏襲できるのか疑問でもありましたが、基本的理念をしっかりと持たれて職に当たられているため、現場の力を引き出す一貫した取り組みとなっていると感じました。個人情報の取り扱いについて気になる部分についても、他団体や住民ネットワークを特徴として行っている豊中の例では、近所の方、地域の方が教えてくれた情報はその方々の中では、共通認識として掌握し、一緒に解決をしていく(要旨)という考え方はとても分かりやすく、そうあるべきであると思いました。本市においても、一度には無理でも基本理念を整理しできる部分から、検討をして参りたいと思います。

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二日目

    • テーマ/場所: 「富山型デイサービス」について 富山県富山市
    • 期間:2016/07/14 (1日)
    • 視察内容:

富山市は小金井市と比べて人口4倍、市域面積は100倍という中核都市であり、ある意味では地域固有の対策ということが大きい部分もありますが、「富山型デイサービス」については、NPO法人このゆびとーまれ理事長であるカリスマ惣万佳代子さんが、看護師であった時に病院で最後の場面で「家に帰りたい」「畳の上で死にたい」とお年寄りが泣いている場面を多く見てこられた中で、作られてきたキーワードを小規模・多機能・地域密着としたモデルであり、一般住宅をベースとした15人程度で、高齢者・障がい者・」乳幼児など利用者を限定せずに受け入れがされており、地域との交流も盛んなことが特徴です。その後、「とやま地域共生型福祉推進特区」の申請され、現在考え方は全国で展開されているものです。

富山県の目標としては小学校区に1箇所(全200箇所)は富山型事業者を配置したいと考え、現在富山市内では、188箇所のデイサービスがあり、その内、46事業者が富山型を選択しています。

富山型デイサービスでは、高齢者は「仕事(子守)に行ってくる」と言って家をでます。障がいのある方は、将来ボランティアとして支える側としてお手伝いをしてくれます。

  • 所感

まさにモデル的取り組みであると考えます。事業者が増える中で採算面から受け入れ人数など、本来の理念にそぐわないケースなども中にはあるように伺ったが、「企業家育成講座」や「職員研修会」などソフト面での支援を行うことで、質のサービス向上も図られているのは、サービスの継続・拡大には欠かすことができず、素晴らしいと感じました。本市にとっても、どんな取り組みができるのかモデル的にでも進めていただければありがたい。

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早起きをして兼六園を散策しました。地域を歩き事業の背景となる空気を感じる事は視察ならではの成果です。