中期財政計画(案)が示され議会は紛糾

中期財政計画(案)が示されました。これは令和3年度から7年度までの5年間の財政の見通しを示す大変な重要なものとなります。今回提出された計画案は、10月6日の全員協議会に示されていたものに対して、庁舎等複合施設建設事業の財源計画がより精緻に積算されたものとなります。

今回は、前回の財政計画に対してコロナ禍において先が見通せず、このままでは市民生活に責任を持った庁舎建設として認められないと市議会公明党を含む議会の16人(定数24名の2/3)が決議を可決していた事から、市長が拘っていた建設コスト84.4億円を如何にコストダウンし、建設時期を見直すなど市民生活に影響が出ない財政計画に立て直すことができているか否かがポイントの一つでした。

しかし提出された財政計画(案)は、
建築費6.3億円増の90.7億円(総事業費は120億円超)
財政調整基金1.8億円減で令和7年度末見込み8.3億円(基金総額約13億円)。
地方債4.6億増の66.5億円(充当率74%超)※いわゆる庁舎建設の借金です。

議会の大多数の懸念に対して更に悪い状況を示す計画(案)が出されたにも関わらず、市長からは、「建設物価の動向を見通すのは困難な状況であり(つまり「何時になったら物価が下がるのかわからない状況」という意味)、社会経済の見通しは、新型コロナウイルス感染症による影響次第では、想定している財政状況よりも更に大幅なリスクを想定しなければならない非常に厳しい状況ですが、立ち止まることで、確実に好転する見通しもない。(庁舎建設を進める)ご理解をいただきたい。」との発言。また市長案を支持する議員からは「数年後建てられない経済状況になったら困る。だから今建てるべきだ」と。数年後の大幅なリスクを想定しておきながら、令和8年頃から約20年間に渡り毎年約4億円の返済が続く120億円超の事業を、なぜこの計画(案)で市民生活に責任を持って議決できるのでしょうか。

かなり厳し状況に、翌日には16名の議員が「市民と市議会の理解を得るまでの間、庁舎建設に係る建築確認申請は行わないこと」の申し入れを行う事となりました。

また、中期財政計画は現在、一年遅れで検討中の「第五次基本構想」の重要なバックボーンとなるものであるため、早急な検討と方針見直しが求められます。

その後の動き