令和5年第2回小金井市議会定例会 一般質問

自転車用ヘルメット購入費用助成について 

本年4月から改正道路交通法の施行に伴い、年齢を問わず自転車に乗るすべての人を対象にヘルメットの着用が努力義務となりました。平成27年の道路交通法改正の際にもヘルメットの購入費用の助成について一般質問で取り上げさせて頂いておりますが、あまり前向きな答弁を得ることはできませんでした。今回更に法律が改正され対象が拡大されたことから、当初予算の審議でも質疑させていただきましたが、東京都の動きなどもあったことから改めて問うものです。

平成27年(2015年)6月の改正道路交通法

保護者の方は、13歳未満の子供にヘルメットをかぶらせるよう努めなければなりません。

令和5年4月1日施行 改正道路交通法 自転車の乗車用ヘルメットに関する規定
  • 自転車の運転者は、乗車用のヘルメットをかぶるよう努めなければならない。
  • 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
  • 児童または幼児を保護する責任のある者は、児童または幼児が自転車を運転するときは、当該児童または幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

道路交通法改正の意義と自転車用ヘルメットの効果について

警視庁の報告資料によると年齢層では65歳以上の高齢者の割合が非常に高くなっております。

更に報告によりますと、平成30年以降の自転車事故で死亡した人の約7割が、頭部に致命傷を負っています。また、ヘルメットの着用状況による致死率では、着用していない場合の致死率は、着用している場合と比較すると約2. 3倍も高くなっています。自転車用ヘルメットを着用し、頭部を守ることが重要性を示す数字です。

小金井市では今回の道路交通法改正の意義と自転車用ヘルメットの効果についてどのように考えるか。

部長

同様の見解。自転車用ヘルメットを着用し頭部を守る事が重要と考える。着用率を上げ、重大事故を減らすため、道路交通法の改正がされたものと認識している。

小金井市としては、改正を受けどのような意識啓発を行っているか。

部長

ホームページや窓口で、ポスター掲示などを行っており、春の交通安全運動でも広報車で啓発活動を実施した。ヘルメット着用を含めた「自転車安全利用五則」の周知徹底を図る。市報8/1号にも特集を予定している。

小金井警察署や教育委員会とも連携を取りながら更なる工夫をお願いする。

東京都内自治体の購入費用助成の状況は

改正道路交通法が施行を受け、複数の自治体がヘルメット購入費の補助事業を実施している。

歩行中の交通事故で亡くなられた方は、その半数以上が頭部に致命傷を負っており、頭部の保護は事故の被害を軽減する上でとても重要です。また、年齢が高くなるにつれて、歩行中の事故で亡くなる方が多くなる傾向にあります。交通事故時以外にも転倒の際などに頭部を保護する用品として、帽子に衝撃吸収素材が入った「頭部保護帽」というものが市販されています。

警視庁では、ヘルメットは努めてSGマーク(Safety Goods:一般財団法人製品安全協会が定めた認定基準に適合した製品を示すもの)などの安全性を示すマークの付いたものを使い、あごひもを確実に締めるなど正しく着用することを推奨しています。自転車運転に対応していないタイプのものを購入してしまうケースもありますので、よく確認の上ご購入ください。

小金井市において購入費用助成を実施しないか

都議会公明党は今年3月の都議会文教委員会などを通じて、自転車のヘルメット着用に向けた意識啓発とともに、購入費助成を行う区市町村への補助制度を創設するよう要望しました。

その後、東京都は、自転車利用者のヘルメット着用を促進するため、区市町村が住民のヘルメット購入費を助成する場合、6月からその費用の半額を補助することを決定しました。

小金井市でも着用率を向上させ市民のいのちを守るために、購入費用助成をおこなわないか。

部長

着用状況等を踏まえ、先駆自治体の事例も含め、具体的な検討を進めて参りたい。検討すべきことも多々あり、時期については、早くとも秋頃と考える。

「早ければ秋」とのこと。9月定例会で補正を出し10月開始という理解で良いか

市長

早ければそういうスケジュールになると考えている。

今後の交通弱者の公共交通不便地域解消について 

CoCoバスは運行開始20周年を迎え、ルート再編や価格改定など大きな節目を迎えました。決してすべてが満足いく改定ではなかったと考えますが、公共交通不便地域解消や持続可能な公共交通の整備に向けて次なる具体的な検討を直ちに開始する必要があります。

CoCoバスの改定後の評価、今後の課題について認識を問う

CoCoバスの改定後の評価、今後の課題について認識を伺います。

部長

公共交通不便地域の解消を図るためルート変更を行ったエリアの市民の方からは便利になったというお電話をいただいている。ただ、一部の不便地域として残っているところもある。

今後は本年6月から施行した小金井市地域公共交通活性化協議会において、議論いただき、地域公共交通計画を策定していく。その中で、幅広い方からご意見を伺い課題の整理、それに向けた基本方針・目標の検討を行っていく。

国立市のコミュニティワゴン「あおやぎっこ」の取組について

国立市にはコミュニティバス「くにっこ」があります。大人1回乗車現金180円、小児1回乗車現金90円、なんとシルバーパスが使えるそうですが、様々な経過があったそうです。

それとは別に、コミュニティワゴン「あおやぎっこ」があります。大人1回乗車現金200円、小児1回乗車現金100円。シルバーパスは使えないそうですが、70歳以上の方は100円で乗車可能とのこと。平成26年4月から最長3年間で実施した試行運行(「くにっこミニ」)の中で、一日当たりの利用者数の月平均が50人を超える月が複数回あったことや、青柳地域には路線バスが運行されていないことから平成29年度以降も試行運行を続けてきて、平成31年4月から本運行となったとのことです。

コミュニティーバス事業を持続可能なものとする為に、工夫をされたものと聞いています。小金井でも、野川・七軒家循環でのココバスミニがありますので似たような発想と考えられます。

また、平成30年に、予約制乗合タクシー(デマンド交通)の実証実感も行われていますが、利用者が思ったように広がらず、実施には至らなかったとのことです。

豊島区が実証運行を開始したAIオンデマンド交通の取組について

交通弱者の公共交通不便地域解消に向けて、AIオンデマンド交通(mobi)の1年半弱の実証運行を開始されました。「交通弱者へのきめ細やかな対応」・「将来都市活動を支える交通サービスの提供」を目標に、新しい移動手段の検討を開始したとのことで、マスコミなどでも取り上げられておりました。

今回のシステムは半径2kmの運行エリア内においてスマートフォンのアプリや電話で配車予約し、エリア内の仮想停留所間を相乗りで運行する移動サービスで、小金井市だと丁度すっぽりカバーされます。運賃は、30日間定額乗り放題プラン5,000円。ワンタイム乗車(1回利用)大人300円・子供150円。もしかしたら小金井市では使い勝手という意味ではマッチしないかもしれませんが、京都府京丹後市などでも導入されていますので、選択肢を提供する意味では、チョイノリを繰り返す方などには、有効なサービスかもしれませんが、是非、この実証実験の結果に注目を頂きたいと思います。

2つの取組について、見解を伺います。

部長

紹介をいただいた先駆自治体の事例も含めた新たな技術を活用した利用形態の洗い出しも踏まえ、地域公共交通計画を策定する中で議論いただく。

シェアサイクルの普及について

公共交通の対策としては、シェアサイクルの普及も含まれます。令和4年第2回定例会の一般質問でも取り上げており、利便性はもちろんのこと、健康維持、CO2削減による環境対策、放置自転車対策としても効果が見込まれ、アシスト自転車は、バッテリーが災害時非常用電源としても活用できるというタイプもあるようであります。また近隣他市から取り残されている事業者との協定締結については、サイクルポートの設置の民間協力者を増やすことや、令和7年を目安に(仮称)自転車総合計画策定にもエビデンスが活用できることはお話をしてきて、既に前向きな答弁を頂いているところであります。第一回定例会でも本年度の協定締結に向けた答弁を既に頂いておりますが、具体的なアクションについていご答弁をお願いします。

部長

今年度中にシェアサイクル事業者と協定を締結していきたい。

フェーズフリー防災について(再) 

令和二年第4回小金井市議会定例会で初めて取り上げさせて頂いて以降「備えない防災」として世間の認知度も向上してきている。

フェーズフリーが提唱された目的についてあらためてポイントを整理。

身の回りにあるものやサービスを、日常時はもちろん、非常時にも役立てることができるという考え方、それがフェーズフリーです。防災用品のほとんどは、普段はしまっていて、非常時のみ取り出して使うものです。フェーズフリーを意識した製品は、日常時のいつもの生活で便利に活用できるのはもちろん、非常時の、もしもの際にも役立つ商品、サービス、アイデアを備え、私たちの生活のあらゆるシーンが快適になります。今では、行政及び民間での取組へと徐々に広がっております。

フェーズフリー協会

食料品のローリングストックや、アウトドアグッズを揃えて家族でキャンプに行くこともフェーズフリーの考えの一つと言えます。災害時に主体的に判断できる子どもを育てるためにフェーズフリーを教育に取り入れる自治体が出てきている。

市としての具体的な取組について確認する

調布市など市の基本計画などにもフェーズフリーに触れられている自治体も増えてきているが、小金井市のこの間の取組について伺います。

部長

優れた考え方であると感じている。ローリングストックなども広い意味でのフェーズフリーの考え方の一つであると捉える。市民の皆さんに取組んでいただきたい取組の一つであり、防災マップや市報を用いて機会あるごとに周知をしたい。

公明党でも長いこと要望をしてきた液体ミルクを本年度の当初予算に入れて頂きました。実際、どこへどのくらい配置し、また賞味期限切れが近いものなどはどのように活用されるのか。

部長

購入はこれからであり、今年度置き換えていく予定。どのような形で、賞味期限が近いものを有効活用できるか検討したい。

新庁舎及び(仮称)新福祉会館建設に向けての考え方について

鳴門市などでもフェーズフリー・可変性のある空間づくりなどを意識した庁舎建設が進められている。小金井市の考え方について伺う。

部長

トイレは地下の雨水貯留施設を設けて利用する。通常は会議室でも仕切りを外す事で広い災害情報室として使えるようにする。

オフィス用品の整備の考え方も重要です。濡れても書く事ができる、ボールペンやポストイットなどもありますが、すぐに真っ暗にならない電球や、空間を仕切る事ができるホワイトボードや、ロビーのソファーなども分解や変形をして多様な使い方ができるものもあるそうです。

公助の在り方の変化(共助を増やす公助へ)

先日、防災士会主催のオンライン講座で、東京大学生産技術研究所 目黒公郎教授のお話を伺いましたが、その中で、「「自助・共助・公助」の中で、今後益々減少する「公助」を補う「自助」と「共助」の確保とその継続がポイントになります。」というお話をされました。この解決策の一つとして先生が言われている部分を引用させていただきます。

社会環境としては、防災対策に対する意識を「コストからバリュー」へ、さらに「フェーズフリー」なものにしていくことが求められます。従来のコストと考える防災対策は「一回やれば終わり、継続性がない、効果は災害が起こらないとわからないもの」になりますが、バリュー(価値)型の防災対策は「災害の有無にかかわらず、平時から組織や地域に価値やブランド力をもたらし、これが継続されるもの」になります。災害時と平時のフェーズを分けないフェーズフリーな防災対策は、平時の生活の質を向上させるとともに、それがそのまま災害時にも有効活用できる防災対策です。

防災ビジネスの創造と育成に関する研究会(主旨)より抜粋

今後の共助・公助の在り方について、市の見解を伺う。

部長

共助は、地域の被害を最小限に抑え、早期に復旧・復興するために欠かせない要素の一つである。地域住民はもちろん、民間団体等と連携した共助についても、重要と認識している。

現在、災害時における人員及び車両等の提供に関する協定締結に向けて、最終調整中である。協定が締結

何度か要望をさせていただいてきた、極めて防災意識の高い小金井市防災士会の立上げに繋がるような、小金井市在住の防災士とのつながりをもつスキルアップ講座などのイベントについては、検討は進められているか。

部長

令和5年3月に修正した小金井市地域防災計画にも記した。まずは、セミナー等の方法も含めて、研究を進める。

また例えば、町会・自治会・子供会の行事に参加することもフェーズフリーの取組ともいえます。防災訓練はもちろんではありますが、納涼会や運動会に参加して、学校にはどういった物が備わっているのか、体育館や校庭の広さやトイレがどんな感じなのかを知っておくこと、ご近所の家族構成を知っておくことも重要です。何より地域の繋がりこそがフェーズフリーの考え方に沿っていると言えます。