9月25日の本会議に於いて、小金井市立保育園条例が採決に付され賛成多数で可決されました。私たちにとっても大変に重たい議決となりました。
賛成:14 小林、中井、太田、河野、遠藤、吹春、沖浦、鈴木、岸田、吉良、天野、水谷、永鳥、清水
反対: 9 森戸、水上、田湯、渡辺、片山、坂井、安田、藤川、村上
※順不同、敬称略、斉藤議長は採決に参加せず。
小金井市立保育園の在り方を巡っては、平成18年の児童福祉審議会や平成27年の保育検討協議会など、これまで長い年月をかけて議論が重ねられてきました。
また、直近では前小金井市長の令和4年9月29日付け専決処分によって制定した小金井市立保育園条例の一部を改正する条例を正常な形にする条例の制定が望まれてきました。
条例の裏付けとなる今回示された方針は、市全体における、より良い保育サービスの持続的提供と、保育の質の維持向上を実現するための仕組みづくりを進めるためのものです。
会派を代表して行わせて頂いた賛成討論
9月23日未明に(厚生文教委員会で)採決がされた「議案第44号 小金井市立保育園条例」および、関連する陳情40件について一括して市議会公明党を代表して「議案に賛成」の立場から、討論を行います。
まず冒頭、白井市長は「市長就任直後の令和4年12月市議会定例会で、前市長の専決処分による、小金井市立保育園条例の一部を改正する条例を廃止する条例を提案いたしましたが、議案は否決となり、現在に至っております。」ということを議会や説明会で繰り返し述べられておりますが、ここには大きな誤解を生む表現があります。私はこの間、歴代4名の市長が提案する数多くの議案を審査し議決して参りましたが、初めから通る見込みの無い議案を提案し、努力も無く議決に及び、議会側にその結果責任を押し付け、それで公約を半分実現しかたのような言動は、議会と行政の信頼を大きく歪め兼ねないどころか、白井市長を信頼していた有権者をあざむく対応であると言われても仕方がないということを、強く指摘しておきます。
さて、9月11日の厚生文教委員会では、7月1日に市が示した「小金井市立保育園の在り方に関する方針」(令和7年8月策定)および小金井市保育園条例(案)(P212参照)に対して、関係する保護者の皆様から不安の中、小金井市議会史上類を見ない数多くの陳述をいただきました。
私たちは、そのようなお声にも真摯に向き合い、その上で、子どもたちの健やかな成長と発達を支え、安心して保育ができる質の高い保育環境が、現在から将来に向けて維持できる、最善の道は何なのか熟考して参りました。
市の方針は、小金井市全体の保育の質の維持・向上に向けて、すこやか保育ビジョンにおける小金井市が果たす役割等の具体化を図るため、市内の保育施設の老朽化や、人員不足など厳しい保育現場の現状を踏まえ、在り方検討委員会が設置され、専門的かつ幅広い視点から、約1年にわたり、市立保育園に期待される役割や、市を取り巻く課題、そして市立保育園の在り方について、実情を踏まえ熱心にご議論いただき、提出いただきました答申(小金井市立保育園の役割と在り方について)で示された市立保育園が果たすべき4つの重要な役割を確実に実現することを第一に考えら策定されました。
方針は、現有の施設や職員といった限られた資源を最大限活用するとして、4つの役割実施のために保育定員の減員によって十分なスペースを確保したうえで3園体制とする判断であり、市立保育園を単純に廃止するものではなく、市全体で質の高い保育を実施するための方針であると評価しています。
委員会質疑の中で、特に我々が確認した項目として
①既に多くのお子さんが通っている民間保育園を含め、市として認可保育園に対して実施すべき指導検査について、今回の方針でどうしていくのか伺いました。市は、現在の指導検査体制が不十分との認識があるため、本方針で指導検査体制等の整備に早期に取り組むこと。また、指導検査体制を整備するにあたっては、人事異動がある市職員のみでは会計部門の検査等に必要な専門性を維持することは難しいため、業務委託なども検討していくことを確認しました。
②また保育の質の維持・向上を推し進める巡回支援については、市立保育園に期待される機能として、地域の民間保育施設と連携・交流し、学びあいの場を作り、蓄えられた専門性・経験知をいかした支援を行うことや、巡回支援を実施するための人材の育成が挙げられました。市内の歴史ある経験豊かな社会福祉法人をはじめとした民間保育園の経験を伺い、公民の交流を活発化し、双方の良い点や改善すべき点を客観的にとらえた場を作っていくことが求められます。市は検討委員会で頂いたご意見を尊重し、巡回支援の仕組みついて、民間保育施設と一緒に検討し作っていくことが必要であるという考えを確認しました。
③ 今後充実が求められる医療的ケア児の保育についても、今回の方針では市としての取組が定められ、まずはけやき保育園を拠点とし、職員体制を構築し、ガイドラインの策定など一つずつ取組を進める考えが示されました。
職員の欠員問題、保育士の確保は、現在、大きな課題であり、安心して保育をするための最も重要な点であります。保育園条例が可決されることにより、保育士不足が解消されていくことが望まれます。
そして何よりも、段階的に縮小し閉園していく園では、閉園までしっかりと保育を実施して頂くことを強く求めます。保育定員が減員となる中でも、保育を実施する職員体制が維持できるよう、職員を配置するなど、保育指針や全体的な計画、年間計画をもとに、在籍している児童にとって、卒園までの間、最善の保育となるよう寄り添っていただく事を心よりお願い申し上げ、以上、討論といたします。