第75回 都市問題会議
- テーマ:『都市の健康 ~人・まち・社会の健康づくり~』
- 場所:大分市 「iichiko総合文化センター」
- 期間:2013/10/10~2010/10/11
一日目
- 視察内容:
- 【基調講演】 「幸せで健康で長生きのまちづくり」 諏訪中央病院名誉院長 鎌田 實 氏
- 【主報告】 「まちづくりは人づくり」 大分市長 釘宮 磐 氏
- 【一般報告】 「ライフステージ・コミュニティの提案」 JT生命誌研究館館長 中村 桂子 氏
- 【一般報告】 「まちづくりからの健幸と新しい仕組み」 新潟県見附市長 久住 時男 氏
- 【一般報告】 「社会の健康づくり」 日本文理大学・教授 山岸 治男 氏
- 所感
基調講演では、現在単なる寿命ではなく、健康寿命をどう延ばしていくことが可能か、という視点で、長野県茅野市での取組を諏訪中央病院名誉院長の鎌田先生より講演をいただきました。超高齢化社会が到来することを見据え、単なる医療ではなく、自助・共助・公助によるバランスの取れた施策の推進が重要であるとの視点から、10年間試行錯誤してこられた市民を巻き込んだ取組のノウハウをお話いただきました。お話の中でいくつかのキーワードがあったので留めておきたい。「まちを守るのに必要なのは想像力」「正論・古い常識に騙されるな」「絆がある地域は健康で長生きだ」「経済の回転に加われない人の為に、如何に暖かさを回転させるか」重要なお言葉である。
医学的なお話として、脳卒中の原因である交感神経を抑え、神経をホットさせる副交感神経をどう増進させるか。また、おいしく食事をとり、綺麗な風景に感動し、セピトニン(幸せホルモン)を出すことにより、感性豊かな地域をつくり、健康だけに留まらず、いじめの少ない地域社会の構築ができ、更には、相手の身になることで、オキシトシン(生きる力・ストレス緩和)を増進させることにより、自分も相手も幸せになるとのお話は興味深く、本市においても食育をはじめいろいろな政策転換が可能であると感じました。
一般報告で特に印象に残ったのは、日本文理大学 山岸治男教授のお話でした。社会の健康を促進する処方を三点あげられました。
- ①健康な社会の基礎を作ること(人間関係・集団・組織づくり)
- ②制度的・公的社会資源を創ること
- ③ボランタリーな社会資源を創ること。
まさに、山岸教授のプレゼンテーションはボランタリー精神に溢れ、自らが体言されていることに教授の理論に説得力がありました。
二日目
- 視察内容:【パネルディスカッション】
コーディネーター: 筑波大学大学院人間総合科学研究科教授 久野 譜也 氏
パネリストは以下の五名。
- 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科准教授、
- 健康都市連合事務局長 中村 桂子 氏
- 慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授 伊香賀 俊治 氏
- 大分市民健康ネットワーク協議会会長、 松本内科循環器科クリニック院長 松本 悠輝 氏
- 静岡県藤枝市長 北村 正平 氏
- 兵庫県丹波市長 辻 重五郎 氏
- 所感
二日目のパネルディスカッションでは、「健幸」なまち「Smart Wellness City」への政策転換を。と題しディスカッションが展開されました。「歩いて暮らせるまち」で大幅な医療費削減につながること、すなわち生活習慣、特に運動と食事をコントロールすることができれば、一定の成果が得られることは科学的に証明されている点が冒頭お話された。「Smart Wellness City」が目指すまちは、
- ①歩いて生活することを基本とする「まち」
- ②高齢者が社会的役割を持てる「まち」
- ③市民の健康・医療情報データに基づき的確な健康づくり施策が展開される「まち」
- ④住民の行動変容を起こすために、健康に関心が薄い層も含めて、対象に適した情報が戦略的に提供され続ける「まち」です。
具体的には各パネラーの方から実現に向けた様々な経験をお話いただいたが、本市においてもできる事からでも、積極的に取り入れていく必要があるべきだと感じました。
行政視察
「大分の新しいまちづくりと環境共生工場見学視察コース」に参加。
~ホルトホール大分・新日鐵住金大分製鉄所・大分市美術館~
- 所感
行政視察では、大分製鉄所の見学が印象的でした。なんといっても広さがほぼ小金井市と同じくらいの面積があり、工場内はバスで移動をしました。規模の大きさとは対照的に、きめ細かな業務の運営と管理が行われており、他にも、省エネルギー・省資源及びゼロエミッションを積極的に推進する、環境への取組、地域への社会貢献活動など、短い時間ではありましたが、学ぶことが多い、行政視察となりました。
こちらに書ききれ無かった点。また重要な点については、さらに調査を深めまして、今後の活動や議会質問の中で取り上げてまいりたいと考えております。
以上