憲法の下「専守防衛」を堅持し、平和外交を大前提とした、国民の生命と安全を守るために隙間のない安全保障体制確立を求める意見書

平成27年第3回定例会において、小金井市議会公明党が提案した意見書
『憲法の下「専守防衛」を堅持し、平和外交を大前提とした、国民の生命と安全を守るために隙間のない安全保障体制確立を求める意見書』は、残念ながら賛成少数で否決となってしましました。不戦、平和は誰もが望むもの。とても残念な結果です。

【賛成10】宮下、紀、渡辺ふ、小林、五十嵐、露口、中根、遠藤、中山、湯澤
【反対13】鈴木、岸田、森戸、板倉、関根、水上、渡辺大、百瀬、田頭、林、斉藤、片山、白井 ※順不同。敬称略。篠原議長は裁決に参加しません。

(以下全文)

国民の生命と安全を守るために隙間のない安全保障体制をつくり、日米同盟の信頼性を高めて他国からの武力攻撃を抑止することを目的とする“戦争防止”法とも言える、「平和安全法制」の関連法が、衆院では歴代6位の116時間以上、参院でも100時間を超える審議を行い、9月19日未明の参院本会議で、自民、公明の与党両党と、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の野党3党などの賛成多数により可決、成立した。

隣国による弾道ミサイルの保有をはじめ、頻発する地域紛争、テロの脅威の中で、現実的に日本の平和を守り、紛争を防止するため、切れ目のない防衛体制を敷き、抑止力を高めるための法案審議がなされてきたが、自衛隊の「海外派遣の3原則」による厳格な歯止めなどにより、有権者にも冷静な法案への理解が進んできた。そもそも自衛隊の存在そのものに疑義を唱える、日本共産党や社民党は、東日本大震災や東日本豪雨災害の場面においても命をかけて国民の生命・財産を守り抜いてくれている自衛隊を違憲とし、日米安全保障条約の破棄などを主張してきた。

9月14日、参院平和安全法制特別委員会の質疑で、民主党歴代代表も集団的自衛権を認めていたことが明らかになったが、法案のこれまでの政府の憲法解釈との適合性についての質問に対して、横畠裕介内閣法制局長官は「新3要件の下で認められる武力の行使は、国際法上の集団的自衛権の行使を認めるものではなく、海外での武力行使を認めるものではない」と明確に述べた。言うまでもなく、新3要件は、「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合で、しかも、これを排除してわが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない時に限り、必要最小限の実力行使を認める」もので、あくまでも自国防衛が原則であり、これは憲法9条の下で許される専守防衛を堅持していることを表している。

また別の質疑では、平和安全法制で抑止力を強化する意義を確認し、「これは実際に使うためではなく、対話によって外交的な手段で平和的に物事を解決することだ」との指摘に対して、安倍首相は、「外交を通じて平和を確保することが重要な点は言をまたない」とした上で、「わが国もさまざまな対話の枠組みを重層的に活用していく」と答弁があった。

よって、小金井市議会は、政府に対し、憲法の下「専守防衛」を堅持し、平和外交を大前提とした、国民の生命と安全を守るために隙間のない安全保障体制を確立することを、強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成27年9月