令和三年第1回小金井市議会定例会 一般質問

1 今後の市政運営について問う

新型コロナウイルス感染症については、今後ワクチンの接種がスムーズに進み、一日も早く収束することを願うばかりです。この間の日本経済における打撃は莫大であり、長期間に渡り、その影響が市税収入にも及ぶことは、昨年10月に出された5年間の財政計画や、令和3年度予算案を見ても明らかであります。そのような事から市政運営においては、今までの単なる継続ではなく、大きな方針の見直しも決断が迫られます。

⑴ 今後、見直しが必要と考える事業について
コロナ対策や支援事業などを先取りで検討しないか

5年間の財政計画には、年率5%の税収減が見込まれ、5年間で約58億円を取り崩す見込みとなっており、5年後の令和7年には、7.6億円となっており「更に少なくなる」と吹き出しを付けた資料が配られた。12月の質疑では、令和7年度末の財政調整基金残高が約4.4億円減して、3.2億円まで落ち込むことが答弁されている。

今後、どのように事業を見直し財源捻出を検討する予定か。また今後も国や都の事業だけでなく、小金井市に見合った支援事業を先取りで検討すべき。

(企画財政部長)
昨年10月に、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい財政状況が見通せない中、予算編成の資料として財政計画を策定した。

令和3年度は市税等の減収が見込まれる中、山積する課題対応とともに、児童福祉費や生活保護費等の社会保障経費の増加、土木費の事業の見直しによる減、そして新型コロナウイルス感染症対策に取り組む必要があることから、極めて厳しい予算編成としてきた。

令和3年度は歳入の根幹であります市税から、コロナ禍による市財政への影響が本格化し、始まります。土木費の事業の具体的な予算としては、都市計画道路3・4・8号線整備事業の1年延伸、特定緊急輸送道路沿道建築物耐震改修助成金約3億円減。令和3年度予算においては、事業の延伸等の見直しを行った予算。

今後、大局的には、新たな第5次基本構想・前期基本計画では、更なる社会経済を見据え、財政にて事業などを進めていかなければならない。従って、中期財政計画などの説明も必要と認識している。

新型コロナウイルス対策や支援事業などの先取りについては、令和2年度は緊急対応方針として、命、暮らし、地域、市民サービスの基盤を守ることを続けてきた。これらを継続するとともに、コロナ禍の収束に向けてのワクチン接種対応等に取り組み、国、東京都の公金などの活用していかなければならない。今何が必要か、何をすべきか、これまで同様に市民や議会の意見も聞きながら検討を続けたい。

⑵ 今後財政運営は更に厳しくなるという認識か

精度を上げた財政計画が出された場合、更に厳しくなるという認識で宜しいか?

(企画財政部長)
経済についてなかなか見通しができない。現時点において社会経済において様々なことがあるかもしれない。見通しをさらに引き続き検討してまいりたい。

⑶ 今後の財政運営のスタンスは?
経済活性化のために市独自でできることも検討すべき

施政方針は、新型コロナウィルス感染症に対する取り組みが、あまりにも不明確で心細い内容だと感じた。仮に私が、施政方針を示す立場であれば、以下の様になると考える。

令和3年度の市政運営方針につきまして初信を延べ、市政運営推進のため、市民の皆様および市議会議員各位の理解とご協力を賜りたいと存じます。私は施政方針として大きく三つのお約束をさせていただきます。それは、①コロナで高齢者をだれ一人死なせない、②市内の商店、事業者を一つもつぶさない、③子ども達の学びを止めない、笑顔を絶やさない。であります。そのためにも、安全で確実なワクチン接種を全庁挙げて、成功させて参ります。実現のためには、聖域なく事業の見直しも必要になりますが、一日も早く、新たな日常(いわゆるニューノーマルの日常)を取り戻せるよう、市民の皆様のご協力を重ねてお願いしたい。

市長は現在の市の財政状況をどういう状況だとお考えか。「財政調整基金を活用して市民サービスにこたえたい」と先ほど市長自ら答弁されているが、財政調整基金だけを見ても非常に厳しい状況であり、財源が捻出をする根拠がうかがえない。財政運営のスタンス方針について改めて伺う。

支援策について具体性がない。新たな地方創生臨時交付金をどう活用していくのか。卸業者などへの支援など、市内の事業者の状況を把握されているのか。小金井市の経済復活のイメージを問う。

(市長)
私も全く同様の思いである。

今後の財政運営についての認識です。今後5年間の財政見通しにつきましては、予算特別委員会までに令和3年度の予算案を反映した形での改定版を提出させていただく。非常に厳しい見立てで市の財政は当然厳しい状況にあるというふうに認識している。しかし、この経済への打撃が具体的な税収としてどの規模でどのくらいの期間、及んでくるかということについては、まだ見えていない部分もある。

新型コロナウイルスの感染拡大に対応しまして、これまで市民生活を守るために4度にわたり緊急対応方針を公表し、取り組んできた。市民生活を守ることを最優先にしていきたい。

引き続き行財政改革プラン2025の策定に取り組む。これから公共施設の老朽化という更なる新たな命題がもう目の前に迫っており、長寿命化方針を踏まえた市の考え方をお示しさせていただいた。公共施設の有効活用の中からも、市の財政に好影響につながるような方策も当然考えていく。

小金井市としてできる支援を積極的にこれからも行っていきたい。これからも、限られた財源でありますけれども、決断すべきはしっかり決断していきたい。更なる取組も必要だと認識している。

コロナ禍にあっても市内消費の喚起、飲食店支援、地域活性化などを行っている。市内経済の活性化については、引き続き検討し、まずは緊急対応方針第5弾の中で更なる具体策を講じていきたい。

一方で、議員ご指摘のように、ワクチン接種は言うまでもなく非常に重要な大事業。ワクチン接種については、小金井市の最優先の事業と位置付けて取り組んでいく。

⑷ 市民の活力を損なわないために、
工夫をしたイベント開催の方法を検討すべき

この一年間、イベントもなく入学式、卒業式、成人式も限定的な開催となり、正直、閉塞感が否めない。勿論、感染対策は十二分に行う事は大前提となるが、コロナの影響をあと数年間引きずらざるを得ない事を考えると、ニューノーマルの観点で、何とか一つ一つが開催できる方向性を見出していく必要があると考えるが如何か。

(市長)
この間、市民の皆様が心待ちにしている様々なイベントの中止など、苦渋の判断をせざるを得ない場面があった。議員ご指摘のように、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、できる限り中止ではなく、感染防止対策にしっかり取り組んだ上で、オンラインや、これまでになかった視点を加味して、いつもどおりではなく、少しでも喜んでいただけるような工夫をして開催していきたいという思いは私自身も持っている。

ただし何よりも大切なことは、まずは市民の皆様の命と健康であり、感染拡大の状況をよく見極め、その時点で適切な判断を行っていく必要がある。

⑸庁舎建設について

庁舎建設に関するこれまでの答弁は、立ち止まり方針を確認することなく突き進んで進んでいくということでしたが、浸水予想区域図の対応に関する見直しで、金額で1.2億円増、期間で6カ月、自らスケジュールを延長する計画をご説明されたところです。

せっかくのタイミングで、なぜ全体の財政計画を見直さないのか。財政状況について市民や議会への説明を行わずに進めるのか。庁舎建設だけが別会計なのでしょうか、今の状況では、市民は納得がいきません。私も、庁舎建設は推進していますし、もっとも福祉会館は西岡市長がはじめに、もともとあった計画を撤回してしまったため、ここまで引きずっているわけですので、早く進めていただきたい気持ちが大きいです。浸水への対応は見落としていたとは言え必須です。

しかし、現下の状況を見れば、だれが見ても、100億円を超える事業ですから、説明が必要であることは言うまでもありません。最新の財政計画と庁舎建設の財源計画を見て、自信をもって市民にご説明できる議員は今はいないのではないでしょうか。我々が自信を持って説明できる、前提条件を整えていただく必要があると考えますが如何か。

(市長)
本市の最重要課題にあるということは、コロナ禍にあっても変わらない。そのような状況の中で、この財政状況をコロナ禍であっても、新庁舎建設や(仮称)新福祉会館建設を私は進めていく必要があるということで、この間、実施設計について進めてまいりましたし、対策をとらなければならない浸水予想区域図への対応方針についても、市議会の皆様方にお示しをさせていただいた。

市民や議会の皆様方への更なる説明を尽くすべきだということについては、しっかりご意見として受け止めさせていただく。これまでお示しさせていただいた庁舎建設の様々な方針がありますけれども、現在、実施設計の中で更なる建設コストの精査を進めさせていただく。議会や市民の皆様方への説明を尽くしていくということについては、もちろん努力させていただきたい。

一般財源で5億円、庁舎基金繰入で29億、地域福祉基金繰入で6億円。そのうち令和5年に一般財源で4.6円、基金から9億円の繰入が想定されています。そもそも市長は市民負担なく建てられると言われていましたが、実際には中々厳しいわけです。「小金井市公共施設等総合管理計画(平成29年3月)」によると、2022年には110億円必要としています。その為に個別施設計画を整理するといわれていますが、小金井市には公共施設修繕のための基金もありません。ここ数年、財調に積む分を、庁舎基金に貯めてきており、それ自体もしわ寄せがないともいえません。全体の金額を抑えるというだけではなく、支出のピークを遅らせるなどで、財政負担をなだらかにするとか、考えられることはあると思います。この先も検討も、市民への説明も行う予定が無いのか改めて伺います。

(市長)
公共施設の老朽化対策について、単年度に様々なものが集中しないように、平準化を図っていく、そういう視点ももちろん必要であります。市の財政をどのような形でしっかり運営できるように健全化をしながら運営していくのかという大変難しいかじ取りが必要となりますが、私といたしましては、これまでの行財政改革や、また公共施設の老朽化対策などの中で、有効活用することによって市の財政に好影響となるような取組にも視点を向ける必要があると思っている。

庁舎につきましては、私といたしましては、この庁舎を造ることによって市民サービスを、あるいは様々な市の事業に影響を与えるということはあってはならないというふうに考えておりますので、庁舎建設をしながらも、市の財政運営をしっかり行いながら、様々な施策の市民サービスの向上にもしっかり努めていくということが必要だと思っている。

私といたしましては、引き続きこの財政問題につきましてもしっかり取り組ませていただきたいと考えておりますし、あわせてその説明の時期ということは今まだ明確には申し上げられませんけれどしっかり努力してまいりたい

📺質疑の様子は動画(YouTube)でご覧いただけます。(1h21m43s から再生)