一日目
- テーマ/場所: 「駅北大火の概要と対応について」について
新潟県糸魚川市 - 期間:2017/11/13(1日)
- 視察内容:
糸魚川市における駅前の大火(2016年12月22日発災)からほぼ一年が経つ中で、出火の概要と対応策を伺い、本市の防災対策に役立てる事を目標に視察しました。
<大火災時の消火活動の対応について>
- 消防署は、新潟県内の陸繋がりの全ての自治体(佐渡市以外)から出動、富山県、長野県の隣接自治体本部からも応援が駆けつけた。
- 北陸地方整備局から排水ポンプ車などが応援に駆け付けた。
- 民間建設業からバックホー、製造業からミキサー車も駆けつけた。
<大火の後の対策>
- 2月1日に、国交省・URの協力を得て、担当組織を立ち上げた。
- 土地の境界確認を進める中で、建物基礎を残しておいたことが役に立った。
- 被災者カルテを作成することが、連携がスムーズに進んだ。
- 国・県と連携を取りながら「糸魚川復興まちづくり推進協議会」を実施。
#住民が戻ってきた時を想定し、各種団体とも協議を行い、若者や子育て世代にも喜んでもらえるよう、賑わいの創出を計画してきた。 - 8月22日復興計画「糸魚川市復興まちづくり計画」を公表。
- 「地域防災計画」に「大規模災害編」およびマニュアルを追加整備した。
- 消防団の装備強化も図った。
- 市議会は毎月全員協議会を開催。その後、復興特別委員会を設置した。
<今後の対策>
- 子ども達に、今回の大火を如何に伝えていくのかが大切である。
- 「火を出さない徹底」が大事。初期消火は7~8分が勝負。
- 網ガラスは、効果的である。
- 所感
発災時には各自治体や大火の民間事業者との連携がスムーズであったのは、日頃のコミュニケーションによるものだと感じた。マニュアル整備だけでなく各機関と連携した想定訓練の実施を積極的に行うべきだと思う。「被災者カルテ」の運用は現場を混乱なく整理するために必要性を感じた。本市でも取り組めることであると考える。経験を如何に、子ども達に伝えていけるのかという課題定義には同感である。
二日目
- テーマ/場所: 「自主防災組織ランクアップの取組」について
石川県小松市 - 期間:2017/11/14 (1日)
- 視察内容:
地域防災力も更なる向上を目指すために、平成26年度から取り組まれている、「自主防災組織ランクアップ」施策についてお話を伺い、本市の防災・減災対策に役立てるため視察した。
<主な取り組み>
- 防災安全センターの設置(現センター長は、元消防本部の消防士)
- 危機管理体制の強化
- 小松市業務継続計画(BCP)、強靭化地域計画の策定など
- 防災・減災に向けた取り組みについて
⇒ 自主防災組織の支援(連絡協議会発足、「防災訓練ステップアップマニュアル」の活用、訓練実施率の向上、防災訓練実施による補助金交付制度、防災士(アドバイザー)の派遣拡大など。 - 各町内の地域自衛消防隊(消防団や自主防災組織とは別)設置
- 自主防災組織のランクアップ(自主防災組織評価制度の導入)
- 各町内に養成された「しみん救護隊員」レベルアップの応急手当技能競技会の実施
- 「小松防災士の会」が指導にあたり、学校における避難所運営訓練の実施
#防災士の試験にあたり、県と市を合わせて全額を補助している - 避難行動要支援者の支援への取組
- 所感
自主防災組織の組織率100%のベースには、トップダウンの政策意思と、自治会加入率100%というバックボーンがあった。「防災訓練ステップアップマニュアル」は、本市の自主防災組織の育成のための取組としては有効だと考える。大きな災害時には公助にはやはり限界がある。市勢実体の違いはあるかもしれませんが、市民一人一人が、わがまちを守るという意識情勢のため、現実的な、市の方針や取組を明確にする必要がある。
今回、常任委員会委員長として、初の視察という事で心配もありましたが、委員、事務局の皆さんのご協力により、充実したものとなりました。ありがとうございました。